矢野経済研究所
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2021年度の保育・幼児教育の市場規模は前年度比1.7%増の4兆6,833億円

~コロナ禍の影響は限定的となり、保育園市場の堅調な推移に支えられ当該市場は拡大を維持~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の保育・幼児教育市場を調査し、主要・注目カテゴリーの市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

保育・幼児教育市場の市場規模推移

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1.市場概況

2021年度の保育・幼児教育の市場規模は前年度比1.7%増の4兆6,833億円となった。

当該市場は保育園市場の堅調な推移に支えられ拡大を維持している。保育園市場は、待機児童問題の解消に向けて、行政からの手厚い補助や様々な施策が講じられており、保育ニーズの高まりによる利用者の増加と施設数の拡大によって成長してきたが、出生数の減少、少子化の進行、待機児童数の減少を受け、市場伸長率が鈍化している。

保育園市場以外の分野においては、幼児向け通信教育市場は引き続き伸長となったほか、多くの分野では、2020年度のような休園措置や営業活動の自粛・制限といった事業活動の停滞はなく、教室運営・営業活動は正常化しつつある。新型コロナウイルスの感染拡大状況によって集客や会員獲得への影響はあるものの、その影響は限定的となっている。

2.注目トピック

幼児英才教育市場

幼児英才教育市場を構成する幼児受験教育市場と知育主体型教育市場について、幼児受験教育市場では、コロナ禍での休校措置等による学習の遅れや学力低下に対する不安などから、子どもの将来の教育・進路に対する関心が高まったことや、オンラインへの移行や活用に取り組む私立小学校の優位性がクローズアップされたこと、学校説明会(入学説明会)や入塾説明会および受験対策セミナーなどがオンライン開催にシフトしたことにより、私立小学校の受験志望者が拡大し、受験対策のニーズが高まったことで当該市場は拡大した。

一方、知育主体型教育市場は、コロナ禍が継続する中で、長期休校や一時閉鎖といった大きなマイナス影響を受けることなく教室運営や事業活動が継続できたことに加え、教室の稼働率の正常化に伴い新規入会も順調に推移したことで、堅調な推移となった。

2022年以降も引き続きコロナ禍での事業活動となっているが、私立小学校を志望する受験層からの底堅い受験対策ニーズや、幼児期からの能力開発・知力向上に対するニーズに支えられ、少子化の影響を受けつつも当該市場は堅調に推移していくと予測する。

3.将来展望

保育・幼児教育市場は、底堅い保育ニーズや、低年齢期からの能力開発・育成に対するニーズに支えられ、当面は堅調に推移していくことが見込まれるが、少子化進行がより一層加速することで、今後、市場トレンドは転換期を迎える可能性がある。

こうした中、参入事業者においては、会員数および施設数の拡大といった量的拡大による事業戦略から、ユーザーニーズや社会的ニーズを捉えた付加価値の高いサービス展開が必要とされ、量的拡大に依存しないビジネスへの方針転換が急務となっている。

調査要綱

1.調査期間: 2022年7月~12月
2.調査対象: 保育関連事業者、幼児教育関連事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用
<保育・幼児教育市場とは>
本調査における保育・幼児教育市場とは、①保育園市場、②学童保育市場、③ベビーシッター関連サービス市場、④プリスクール市場、⑤私立幼稚園市場、⑥幼児英才教育市場、⑦幼児体育指導市場、⑧幼児・子供向け外国語教室市場、⑨幼児向け通信教育市場の9分野を対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
保育園市場、学童保育市場、ベビーシッター関連サービス市場、プリスクール市場、私立幼稚園市場、幼児英才教育市場(幼児受験教育市場・知育主体型教育市場)、幼児体育指導市場、幼児・子供向け外国語教室市場、幼児向け通信教育市場

出典資料について

資料名2023 保育・幼児教育市場の実態と展望
発刊日2022年12月27日
体裁A4 322ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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