ゴルファーの潜在能力を開花させるマインドセット革命
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(本記事は、児玉 光雄氏の著書『ゴルファーの潜在能力を開花させるマインドセット革命』=実業之日本社、2022年9月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「メタ認知力」こそスコアアップに不可欠なマインドセット

「ムード」「運」「集中力」という三つの要因が「最高の自分」と「惨めな自分」を生み出す大きな原因です。 心理学の観点から考察すると、「メタ認知力こそスコアメイクに必須のスキル」なのです。

「このスキルが低いプロゴルファーは、ショットがいくら素晴らしくても、あるいはいくら練習しても、絶対大成できない」と、私は断言できます。

「メタ認知」とは、「自分の認知を客観的に認知できる能力」であり、もう少しわかりやすく表現すると、「二人の自分がいて、ゴルフをしている自分を、もう一人の自分が空から監視しているという心理構造」を心の中に形成することです。

感情的に安定したゴルファーになるためには、このスキルを理解・習得して、どんなことが起こっても「想定内!」という口癖を身につけることから始めてください。

トーナメントでも、メタ認知力の低いツアープロはロングバット(運に左右されるショット)が入ればぬか喜びし、ミスショット(程度の差こそあれ、ラウンドですべてのゴルファーに起こる現象)をすれば、すぐに機嫌が悪くなります。

つまり、このゴルファーは想定内の幅が狭過ぎるために、このゴルファーにとっての想定外のことが起こる度に一喜一憂してスコアを崩してしまうのです。

メタ認知力を身につけることはむずかしくありません。 ラウンド前に、「今日ラウンドで起こることはすべて想定内!」とスコアカードの余白に記入してスタートする習慣を身 につけるだけでいいのです。

私は「アルマゲドン (地球滅亡)が起こらない限り、今日のラウンドは想定内」と記入することをお薦めします。

それくらいの胆力を持ってラウンドに臨んでください。 それだけでラウンドの最初から最後まで、安定した精神状態でプレーできる自分に気付くはずです。  

ゴルファーの潜在能力を開花させるマインドセット革命
児玉 光雄
追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問、前鹿屋体育大学教授。京都大学工学部卒業後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)大学院で工学修士号を取得。米国五輪委員会スポーツ科学部門本部の客員研究員として、米国五輪選手のデータ分析に従事。臨床スポーツ心理学者として、ゴルフ、テニスを中心に数多くのアスリートのメンタルカウンセラーを務める。稲森佑貴、香妻陣一朗をはじめ数多くのプロを指導し、ツアー優勝へと導いている。能力開発にも造詣が深く、日本で最初に「右脳IQ」という概念を導入。これらのテーマで、大手上場企業を中心にこれまで1000回以上の講演活動をこなす。著書は250冊以上、累計300万部以上。1947年兵庫県生まれ。

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