顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、担当が若手社員に変わったことで不信感が溜まり、
顧問料の改定などの対応もなく、契約解消に至ってしまったケースです。
担当者が何を考えているのか、さっぱりわからない!
10年前から美容サロンの会社を経営しています。
設立時に、知人からスタートアップに強い会計事務所を紹介してもらいました。
当初は所長が担当で、迅速な対応やちょっとした経営相談にも乗っていただき、
何の不満もありませんでした。
ですが、数年前から職員さんに担当が変更になり、
昨年からは若手社員に変更となったのです。
彼は、会計事務所に入社して3年目。
ミスはないものの、淡々としていて指示されたこと以上は自発的にしない、いわゆるイマドキ社員。
思考や感情が表に出ない分、何を考えているのか分かりにくく、若干の付き合いにくさを感じています。
先日、事業用の経費として電子マネーを利用した場合の仕訳について、
メールで質問したのですが、参考サイトのURLを貼付けた素っ気ない回答が返ってきたのです。
こんなことがあっていいのか、目を疑いました……。
この仕訳について訪問時に再度質問しても、「上に確認します」のみ。
自分で考えて回答しない様子をみて、「ロボットと会話をしているみたいだ…」と思ってしまいました。
一度、担当を替えてもらえないかお願いをしたのですが、人手不足で難しいとのこと。
イマドキの新入社員にはよくあるのかもしれませんが、
所長が担当してくれていたときと顧問料が据え置きなのも、納得がいきません。
毎日必死で経営をしているからこそ、何を考えているかわからない人ではなく、
真摯に向き合ってくれる方と付き合っていきたいと思っています。
顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス
顧問先を担当する前に、ロールプレイングを繰り返す!
今回の根本的な原因は、総合的なスキルが不足しているにもかかわらず、
担当を持たせてしまったという時期尚早な判断です。
会計資料の作成手順書はもちろん、
顧問先を担当するまでに必要なスキルを段階的に身につけるためのマニュアル作成や、
入念なロールプレイングを実行しましょう。
特にロールプレイングでは、話し方や仕草、目線、表情、
相手に伝わる言葉を選んで説明しているのかなど、
都度フィードバックを行って客観的に把握させましょう。
ロールプレイングの様子を録画して、一緒に見て振り返るのも有効的です。
「自分の対応が相手からどう見えているか」を理解して改善していけるよう、
何度も指導して意識づけさせていきましょう。
- プロフィール
会計事務所を中心に人事制度や採用といった社内制度の構築から、
マーケティング・営業まで幅広くサポート。
サポートした士業事務所は300件を超え、職員が辞めない事務所のつくり方を伝授。