【DX社労士が語る!】「働くこと」の専門家・社労士の価値は、IT活用でさらに高まる
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効率的に業務を行い、ビジネスに新たな価値を生むために、近年DXが話題になっています。
その波は士業業界も例外ではありません。
そこで注目を集めているのが、エンジニアの経験を活かし、
DX社労士として活躍する、はやし総合支援事務所の林 雄次氏。
林氏は、2017年の開業当時から、いち早くリモートワークを導入するなど、
ITを駆使した事務所づくりを行ってきました。
そして2022年2月23日には、自らのノウハウを凝縮した書籍
『社労士事務所のDXマニュアル』(中央経済社)を発売。
社労士の業務はどう変わってきているのか、なぜDXが必要なのかなど、
士業とDXの関わりについて、林氏にインタビューしました。


エンジニア時代の効率化ノウハウを社労士の業務に投影

――まずは、林先生が社労士を目指したきっかけや、DXに力を入れてきた理由を教えてください。

私は、新卒で入った会社で約17年、システムエンジニアとして
全国の中小企業の販売・会計・給与システムなどの改善に関与してきました。
多くの企業と接するうちに、企業が抱えるいろいろな課題が見えてきて、
そのサポートを強化するために、さまざまな資格を取得するようになりました。
なかでも、「働くこと」について
より専門性を高めて価値を提供していきたいと思って取得したのが、社労士資格です。

資格を取った当初は、エンジニアの仕事が本業、社労士は副業として仕事を受けていました。
本業であるエンジニアの仕事では、顧客の生産性向上の支援も行っており、
さまざまな中小企業が効率化に成功する場面を見てきました。

そのため、社労士の仕事をはじめた当初から、システムを活用した手続きの電子化や簡素化を実施。
私自身は、当たり前のように行ってきたことでしたが、
知人から指摘されて、ITに詳しい社労士が少数派であることに気づきました。
そこで、ITスキルを強みとして周りに伝えていった結果、
意外にもニーズがあることがわかり、上場企業などの大きな顧問先も獲得できたのです。

徐々にお客様が増えていくなかで、
効率化やIT化が社労士にも求められていることを確信し、
本格的に「DXに強い社労士」として独立することを決めました。


士業だからこそ提供できる価値を高めるために、DXを活用する

――「DX社労士」として活動するなかで感じる、社労士の課題を教えてください。

些細な事務作業まで所長や有資格者が担ってしまっているため、
本来、社労士が提供するべき価値を存分に提供しきれていないことが
課題だと感じています。

例えば、職員と役割分担せずに、所長が書類作成の大部分を行うなど、
士業のライセンスがなくてもできる業務を
所長や有資格者が担当してしまっている事務所も、多いのではないでしょうか。

電子申請やツールの改良も進んでいるなかで、こういった現状が変わらないのは、
士業のビジネスの特徴が要因だと考えています。
士業は法律で定められた業務を間違いなく遂行することが重要な仕事。
そのため、変化をポジティブに考える習慣がないことが、根底にあると思います。

しかし、お客様が本当に望んでいるのは、書類の準備をしてもらうことではなく、
経営や人事の課題を一緒に解決してもらうことです。
お客様が求めている価値を提供するために、
事務所内での役割分担を明確にする、IT技術の力を借りるなどして、
現状の業務負担を減らしていくことが大切なのです。

手を動かす時間を減らすことができれば、営業やマーケティングなど、
事務所の成長に向けた戦略にも時間を割けるようになります。
お客様への価値提供に限らず、自分たちの成長にもつなげることができるので、
「やらなくてもいいことはやらない」というスタンスを持ち、
担っている業務の内容を変えていくことが重要だと思います。


誰でも取り組める業務改善のテクニックを公開

――2月23日に、林先生のITノウハウが紹介された
書籍『社労士事務所のDXマニュアル』が発売されました。
この書籍に込めた林先生の思いや、読者に特に知ってもらいたいことなどを教えてください。

これまで培ってきたノウハウを私一人で周りに伝えていくことには限界がありますが、
書籍を活用すれば多くの方に伝えることができるので、
今行っている仕組みをすべて紹介したいと考えました。

私は、特別新しい発明をしたわけではなく、
エンジニア業界での経験を社労士の業務に活かしてきただけ。
それを詳細にまとめて、誰でも真似できるような内容を意識しました。

デジタルツールのことはわからないと感じている人にも、
すでにDXを導入している人にも、何かしら参考になる部分があるように、
パソコンの選び方やオフィスの整備といった基本的な部分から、
セキュリティーに関すること、営業やマーケティングへの活かし方まで
多岐にわたって紹介しています。

社労士事務所に勤務した経験のなかった私が、
社労士の業務を効率化していった過程を細かく伝えることで、
どんな先生にも何かしら活用できる部分があれば良いなと思っています。

本書のなかで、まず士業の先生に知っていただきたい部分は、
業務の棚卸しを行うということです。
とにかくITを入れなければいけないということではなく、
その前に、誰が何をするか、効率化するためには何を整備することが必要なのかに
気づくことがポイント。
棚卸しのためのフレームワークも掲載していますが、
事務所で改善しなければならないことを可視化させていくと、
結果的にITの導入もスムーズになると考えています。


社労士が「日本の働き方」をリードする未来を目指す

――社労士がDXを推進することで、どのような効果が期待できると思いますか。

DXが進むことで、社労士はこれまで以上に
「働くこと」の専門家として価値を発揮できるようになると考えています。

現状の社労士業界は、リモートワークや効率的な働き方に
追いつくためにDXを取り入れています。
しかし本来ならば、さまざまな企業の労務に携わっている社労士こそが、
新しい働き方を提唱していくべきだと思うのです。

まずは事務所内でDXに取り組んで、社労士自身の働き方を改善する。
そして、事務所内で培ったノウハウをお客様にも提供して、
企業で働く人たちが今よりももっと幸福度の高い働き方を生み出すサポートができれば、
社労士の必要性がより一層広く浸透していくのではないでしょうか。

近年、中小企業の課題解決に取り組む企業は増えており、
士業の競合は士業事務所だけではなくなっています。
これからも安定して顧客を獲得していくためには、
市場と自社の強みを掛け合わせながら、
マーケティングやブランディングを行っていく必要があります。
事務所の基盤を整えて提供できる価値を広げていくために、
DXについて知ること、実践することは、重要なステップなのです。


林氏のDXに関する知見をまとめた書籍が発売中!

効率化・DXのノウハウを集約した書籍、
『社労士事務所のDXマニュアル』(中央経済社)が2022年2月23日に発売。
ITやセキュリティーに関する基礎知識から、
顧客獲得に向けたブランディングまで幅広く解説されています。

給与計算業務や申請手続きなどの実務に関わるDXをはじめ、
事務所の電話対応や文書管理、コミュニケーションのコツなど、
今すぐに取り組める実践的なテクニックも満載です。

また、特に注目すべきは、林氏があらゆる施策を積み重ねて感じた、効率化のポイントや注意点。
ITツールを導入する際、「どの業務に取り入れば良いのかわからない」
「そもそも業務が整理されていないから、ITツールを入れても効率化できない」
といった経験のある先生もいるのではないでしょうか?

本書では、林氏が元エンジニアならではの視点で、
業務を効率化するためのフレームワークの活用方法なども指南。
事務所で改善したい部分や、ITで気になることがあれば、
まさに「マニュアル」のように、この本を活用することができます。

DXにこれから取り組む事務所にも、すでに活用している事務所にも、
参考になる部分が詰まっている一冊です。

【DX社労士が語る!】「働くこと」の専門家・社労士の価値は、IT活用でさらに高まる
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プロフィール
林 雄次氏
林 雄次氏
はやし総合支援事務所 代表
大手IT企業でシステムエンジニアとして勤務する傍ら、社会保険労務士の資格を取得。
エンジニアと社労士を掛け持ちしながら、社労士業務の効率的なフローを構築。
在職中に行政書士の資格も取得し、2年の兼業の後、2020年に独立。
さらには、情報処理支援士や旅行業務取扱管理者など多数の資格を保持し、
ニューノーマル時代企業の働き方改革支援なども多く手がける。
プロパートナー
記事提供
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『月刊プロパートナー』
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