矢野経済研究所
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世界的な景気後退による自動車需要の減少にも関わらず、2022年の車載用ディスプレイ世界市場は前年比104.9%の1億8,670万枚と予測

~EV新車生産やMulti Display(統合コックピット)の搭載拡大が市場をリードするも、需要減少の影響は2023年以降続く可能性も~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、車載用ディスプレイ世界市場を調査し、タイプ別や部位別、インチ別の市場動向、メーカー動向、価格動向、将来展望を明らかにした。

車載用ディスプレイ世界市場規模予測

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1.市場概況

2022年の車載用ディスプレイ世界市場(純正品および市販品を含む、メーカー出荷数量ベース)は前年比104.9%の1億8,670万枚と予測する。

2022年上期は、コロナ禍でのロックダウンの影響で中国における自動車生産台数及び主要部品の生産・供給量が大幅に減少したほか、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、欧州全域にわたり消費が落ち込む見込みである。世界的に景気が後退し、高級品である自動車への需要も減少する見込みで、2022年の車載用ディスプレイ世界市場は前年比104%台とこれまでよりも低い成長率に下方修正となった。

2.注目トピック

車載向けでOLEDパネルの採用拡大、2024年より本格的なマーケット拡大を見込む

民生用OLEDパネル最大手のSDC(サムスンディスプレイ)がBMW向けの車載用OLEDパネルを大型受注、2024年より6~7年かけてBMWの各車種向けに約400万枚を供給する契約となっており、2024年以降に車載用OLEDディスプレイ世界市場の大幅な拡大が見込まれる。

車載用としてOLEDパネルに求められるニーズとしては、Plastic基板をベースとしたフレキシブル性であったが、OEM(自動車メーカー)やTier1(一次部品サプライヤ)がOLEDパネルに対して要求するものはマーケティング戦略的にLCDパネルより高級感を出せるディスプレイであることに変化した。これにより、OLEDパネルはリジット基板をベースとするガラスタイプの採用が本格化している。
なお、車載用OLEDパネルはLCDパネルに比べて高単価な部材であるが、ガラス基板のOLEDパネルはLCDパネルとの価格差はそれほど大きくない。OEM側が求めるのは、OLEDパネルならではの特徴ではなく、LCDパネルと差別化できる、高級感のある新規ディスプレイである。2024年以降、車載向けディスプレイでガラスタイプのOLEDパネルの本格的な採用拡大が期待される。

3.将来展望

今後、EVの新車生産本格化やMulti Display(統合コックピット)の搭載拡大が車載用ディスプレイ世界市場をリードしていくものの、景気後退により自動車の需要は減少し、自動車生産台数の大幅な増加は見込めない。しかし、1台当たりの車載用ディスプレイ搭載数は増加しているため、成長率は下方修正されるも、2023年以降も車載用ディスプレイ世界市場はプラス成長の見通しである。

また、EVはこれまではHigh-End向け車種が中心であった。今後、HVを含むガソリン車の販売禁止方針を受けて、EVを展開する車種がMiddle-Low車種にまでラインアップが拡大されることで、Middleクラス以下の車種向けでは部品単価の削減などのため、搭載する車載用ディスプレイの数量を減らす動きがあることにも注目しなければならない。

調査要綱

1.調査期間: 2022年6月~9月
2.調査対象: 車載用ディスプレイメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<車載用ディスプレイ市場とは>
本調査における車載用ディスプレイ市場とは、 自動車のCID(Center Information Display)、Cluster(Instrument Cluster)、RSE(Rear Seat Entertainment)、HUD(Head-up Display)、Mirror(Rearview Mirror / Side Mirror)向けのLCD-TFT、AM-OLED、Mini/Micro LEDを対象として、メーカー出荷数量ベースで算出した。
なお、CID、ClusterにはMulti-Display(DigitalCockpit[統合Cockpit])を含む。また、純正品および市販品を含む。
<市場に含まれる商品・サービス>
車載用TFT-LCD、車載用AM-OLED、車載用Mini/Micro LED

出典資料について

資料名2022-2023年版 車載用ディスプレイ市場の現状と将来展望
発刊日2022年09月28日
体裁A4 140ページ
価格(税込)187,000円 (本体価格 170,000円)

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