ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書
(画像=EpicStockMedia/stock.adobe.com)

(本記事は、菅原 大地氏の著書『ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書』=KADOKAWA、2021年8月26日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

皆さんはティーイングエリアで何を考えていますか? 「失敗したらどうしよう?」とかショットへの不安ばかりが頭にある状態になっていませんか? 打つ前に自分の中で作戦が決まっていないと、余計な邪念が入りやすくなり、これがいちばんよくないパターンです。

迷いや不安をなくすためには、ティーイングエリアでの情報収集をして作戦を決めるしかありません。ここでは何をしたほうがよくて、何をしてはいけないのか。コースが語りかけているわけではありませんが、コースを見ていればやるべきことが見えてきます。そこで自分のレベルに合わせて、打つべき場所と打つべき距離の目標設定をして、目標スコアを決めるのです。

プロゴルファーでもティーショットが100パーセント成功する方法はありません。だからこそ、1パーセントでも成功に近づけるために事前に情報収集し、整理し、「ここに向けて、こう打つ」と作戦を決めるのです。そうしたら、あとは構えてクラブを振るしかありません。

そこでここでは、情報として取り入れるべき事柄、収集の方法、ショット直前のセットアップまで、詳細に解説していきます。

菅原大地の攻略ノート
狙った場所へ完璧に打つのは難しい。「ラフならOK」「飛ばなくてもいい」など “許せる失敗”まで考えたい。

1 コースの情報を徹底収集!

コースレイアウトの把握

まずはコースレイアウト全体を把握することから始めます。PAR4(ミドルホール)なのか、それともPAR3(ショートホール)なのかだけではなく、左右に曲がったレイアウト(ドッグレッグという)になっていないか、グリーンのピンの位置はどこに切られているか、ホール全体の情報を集めるのです。その際にポイントとなるのは、距離で分割して考えること。例えば図のホールであれば、池越えには170ヤード必要となればティーショットはウッドで打っていこうとなりますが、2打目地点からグリーンまで何ヤード残すかによってドライバーなのか3番ウッド(スプーン)なのかが決まってくるわけです。距離を分割することで一打一打を明確にし、グリーンまでひとつのストーリーとして考えましょう。

ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書

コースの高低差(「打ち上げ」か「打ち下ろし」か)

ティーイングエリアからグリーンに向かうにつれて上っているのが「打ち上げ」ホール、逆に下っているのが「打ち下ろし」ホールとなります。平らなホールに比べてティーショットの飛距離に影響が出るだけでなく、ティーイングエリアからの景色も大きく違ってきます。それは、ショットへも大きな影響を与えるため、高低差を把握しつつ、それぞれの打ち方も覚えておきましょう。

ハザードやペナルティエリア、OBの「位置」と「距離」

ハザードとはバンカーなどの障害区域のこと、ペナルティエリアとは池などプレーできる区域の外を表します。上図のホールでいえば、左側がずっとOBであり、中間地点に池があります。OBや池に入れると罰が与えられ、その時点でスコアがかさんでしまいます。池を越えるには何ヤード必要なのか、OBがない方向はどちら側なのか、このような情報収集は必須です。

2 風の向きと強さの確認

ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書

風向きや風の強さは、なんとなく体感で判断している人も多いでしょう。強めの風であれば判断がつくこともありますが、微妙な風の場合に体感に頼ると、打ってみたら想像以上にボールが左右に流される、なんてこともあります。風向きの確認は、ティーイングエリアに生えている芝を少しだけむしって、頭上からパラパラと落とすことで確認できます。もちろん、ティーイングエリアと、少し先で違うこともあるので、ホール内の木々の揺れなどを見る方法もあります。

3 自分が打つべき方向の確認

ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書

コースレイアウトを確認したあと、実際にティーイングエリアに立ってコースを見渡します。ティーイングエリアがどちらに向いているのか、そして打っていきやすい方向を確認します。例えば写真では、右側には林やバンカーがあって狙いづらい一方、左側は途中からフェアウェイが広くなっている地点があります。ここでは左側に打ち出していこう、と決められるわけです。

4 ティーイングエリアの傾斜確認

ゴルフでラウンドする前に必ず読む本 IDゴルフの参考書

意外と忘れられがちですが、ティーイングエリアの向きや、打ち出す方向の確認とともに、ティーイングエリアの傾斜も見ておいたほうがいいでしょう。ティーイングエリア=平らとは限らず、左右に傾いていることもよくあります(写真では、途中から左に傾斜がついている)。それを疑ってかからないと、アドレスをした際に知らずのうちにつま先下がり(つま先のほうへ傾いている)になっていたり、逆につま先上がり(かかとに体重がかかってしまう)になっていたりして、バランスを崩した状態でショットすることになってしまいます。ティーイングエリア後方から眺めて傾きを確認し、極力平らな場所にティーアップするように心がけるといいでしょう。

5 目の前のホールの目標スコアを決める

常にパーを目指す、ボギーを目指すという同じ目標設定でプレーしていると、ずっと同じ攻め方になってしまいます。そうなると、運任せの部分が大きくなり、崩れたときの修正ができず、大たたきにつながってしまう。100切りを目指す人の場合は、スタートホールがボギーなら好調ですし、ダブルボギーでもOK。「トリプルボギーはたたきたくない」と目標設定をしたら、自分はどう攻めるべきかが見えてくるはず。また、前のホールでのスコアによって目標スコアを修正したり、ティーショットをミスしたら下方修正したり、状況に応じた目標修正も必要です。

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菅原 大地
1989年生まれ。プルーフコーポレーション所属。日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級、ジュニア指導員。19歳でゴルフを始め、わずか4年でティーチングプロ試験に合格。横浜の練習場・ハンズゴルフクラブを中心にレッスンをおこない、丁寧でわかりやすい指導と、独自の理論や練習法によって4歳~80歳代まで老若男女問わず数多くのゴルファーを上達へと導く。個人レッスンは満員、スクールのキャンセル待ちは1年以上と絶大な人気を誇るティーチングプロに成長。YouTubeチャンネル『DaichiゴルフTV』は登録者数30万人超。

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