矢野経済研究所「
(画像=bohbeh/stock.adobe.com)

コロナ禍で再評価、2019年の水準を約4%上回った2021年の国内ゴルフ用品市場

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のゴルフ用品市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ゴルフ用品別国内市場規模推移

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2021年の国内ゴルフ用品市場規模は、メーカー売上高ベースで前年比19.4%増の2,763億3,000万円となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を色濃く受けた2020年との比較において、プラス成長となるのはある意味当然のことであるが、2021年はコロナ禍前の2019年比で約4%増、110億円上回るという結果となった。
コロナ禍の影響により、「三密」に該当しない「屋外型のアクティビティ」としてゴルフに注目が集まったこと、既存ゴルファーの活動率の高まりとともに若年齢層を中心とした新規ゴルファーやゴルフから暫く遠ざかっていた「休眠復活」ゴルファーが増加したことが、ゴルフ用品市場規模の底上げに貢献した。

2.注目トピック

ゴルフクラブセット販売動向

新型コロナウイルス感染拡大を背景として、図らずも国内ゴルフ産業は活況を呈している。象徴的なのが若年齢層を中心とした新規ゴルファーの参入増加である。それに伴い、これまで国内ゴルフ用品市場の中では話題にならなかった「クラブセット(主に初心者をターゲットにした、ウッド・アイアン・パター及びキャディバッグがセットになった商材)に注目が集まっている。

クラブセットの動向及び市場規模を推計・算出するために、今回主要ゴルフクラブメーカーに対して、クラブセット販売量の調査を実施したが、残念ながら全体規模を推計するに足る回答を得ることができなかった。
しかしながら、当社が集計・分析を行っているゴルフ小売店を対象とした、ゴルフ用品実売動向調査「YPSゴルフデータ(国内約1,100店舗のゴルフ用品小売店の実売結果を集計、分析したデータ)」によると、2021年のゴルフクラブセット販売数量(約800店舗の集計)は、前年比48.3%増、コロナ禍前の2019年比で64.6%増と大幅に伸長している。特に女性用のクラブセットの販売伸長率が高いのが特徴である。
※ クラブセットの市場規模はゴルフクラブのカテゴリー別数量とダブルカウントになる。

3.将来展望

2022年のゴルフ用品国内市場規模は、前年比11.9%増の3,092億1,000万円と予測する。3,000億円を越える市場規模予測となったが、過去に国内ゴルフ用品市場規模が3,000億円台を記録したのは2001年であるから、この数字が実現したならば約20年ぶりの達成となる見通しである。
各カテゴリー別の2022年市場規模予測値と前年比は以下の通りである。
ウッド:548億円(前年比123.4%)
ハイブリッド: 126億1,000万円(同113.6%)
アイアン : 473億円(同106.8%)
パター: 104億円(同126.8%)
ラウンドボール: 219億円(同104.3%)
レンジボール:18億6,000万円(同100.5%)
ゴルフシューズ:136億2,000万円(同109.1%)
キャディバッグ:88億5,000万円(同105.0%)
その他バッグ・カバー類:61億5,000万円(同113.9%)
ゴルフグローブ:69億2,000万円(同101.0%)
ゴルフウエア:1,059億円(同110.3%)
その他ゴルフ用品:189億円(同115.8%)

カテゴリーによって伸び率に若干のバラツキはあるものの、いずれもプラス予測となっている。その中でも金額規模の大きいウッド市場、ゴルフウエア市場が二桁台のプラス予測となっていることにより、全体規模の底上げが図られている。その一方で、ラウンドボールやゴルフグローブといった所謂「消耗品」に属するカテゴリーは、微増予測となっていることも特徴である。

調査要綱

1.調査期間: 2022月5~8月
2.調査対象: ゴルフ関連企業(メーカー、商社、卸、小売店)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびにe-mailおよび郵送によるアンケート調査併用
<ゴルフ用品とは>
本調査におけるゴルフ用品とは、ゴルフ用品取扱関連企業が生産・販売を行う、個人消費者向けの商品をさす。自社ブランド商品の国内売上分を対象とし、ゴルフ用品メーカー向けの「OEM請負分」「カスタムクラブ分」の売上分は対象外とする。
そのうち、「その他ゴルフ用品」とは個人消費者に向けたゴルフ用品で、①ティー、マーカー類、②練習器具(デジタルガシェット含む)、③コンペ賞品、ギフト、④携帯型飛距離測定器(レーザー式、GPS式)、⑤その他(傘、ネームタグ、タオルなど①~④に含まれないもの)を対象として算出した。なお、ゴルフ用品メーカーが小売店に設置している「計測器」やシミュレーションゴルフ機器」などは含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
ゴルフクラブ(ウッド、ハイブリッド、アイアン、パター、クラブセット)、ゴルフボール(ラウンドボール、レンジボール)、ゴルフ用品(ゴルフシューズ、キャディバッグ、その他バッグ・カバー類、ゴルフグローブ)、ゴルフウエア、その他ゴルフ用品(ティー・マーカー類、練習器具、コンペ賞品・ギフト、携帯型飛距離測定器、その他)

出典資料について

資料名2022年版 ゴルフ産業白書
発刊日2022年08月29日
体裁A4 575ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。