矢野経済研究所
(画像=annlipch/stock.adobe.com)

2021年のインナーウェア小売市場規模はレディスで前年比101.3%の5,580億円、メンズで同101.0%の2,300億円

~レディス、メンズともに微増となったが、先行き不透明感は拭えない~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のレディスインナーウェア、メンズインナーウェア小売市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

レディスインナーウェア市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

メンズインナーウェア市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2021年のレディスインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比101.3%の5,580億円とプラスへと転じた。前年まで9年連続の市場縮小となっていたが、2020年の大幅な落ち込みからの反動によるものと推察される。2021年も新型コロナウイルス感染症に関する様々な制限、コロナ禍による生活様式の変化があったため、インナーウェアの需要が回復するような動きが見えづらく、2020年当時のような都心部を中心とした商業施設や百貨店の休業・時短営業は緩和されたが、実店舗における「コロナ前の活況」にはまだ届いていないのが現状である。

2021年のメンズインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は、前年比101.0%の2,300億円とプラスへと転じた。これはレディスインナー同様に前年からの反動によるところが大きい。

2.注目トピック

新たな商品展開~男女対応のボクサーパンツ、男性用のレース下着登場~

2022年2月に、アパレル企業のワコールとentertainmentが協業し、SからLLまでワンサイズで男女に対応するボクサーパンツを発売。
また、両社が2021年12月に発売した「メンズのレース下着」は業界内外で話題となった。数に限りがあったためか、即完売したという事実も希少性を生んでいる。このような男性用のレース下着といった取り組み、提案は需要喚起の点で重要であり、今後各社の商品開発が活発化すると見られる。

また、「男性用ブラ」はまだ市場内での存在感はないが、今後、市場拡大の可能性もゼロではない。特に、締め付けなく着用しやすいナイトブラをアレンジした “男性用ブラ” は今後増えていくと期待される。

3.将来展望

2022年のレディスインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は前年比99.8%の5,570億円と予測する。2022年はコロナ禍3年目となり、行動制限の緩和や、徐々に回復しているインバウンドに期待がかかる一方、為替の問題、社会情勢の動き、新型コロナウイルスの感染状況など、これらのマイナスに働く要素が多く、前年比で横ばいから微減で推移すると考える。業界においても原材料高騰による値上げの問題、人材・人件費確保、国内生産の課題など、問題が山積している。

2022年のメンズインナーウェア小売市場規模(小売金額ベース)は前年比100.4%の2,310億円と予測する。2022年はレディスインナーと同様に見通しが不透明である。市場規模は極端に落ちることはないとみるが、横ばいから微増で推移すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2022年7月~9月
2.調査対象: インナーウェア・レッグウェア市場に参入している製造業、卸売業、小売業、その他関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査ならびに文献調査併用
<インナーウェア(レディス・メンズ)、レッグウェア市場とは>
本調査におけるレディスインナーウェア市場とは、ブラジャーやガードルなどファンデーション、ランジェリー、ショーツ、肌着などを対象とし、メンズインナーウェア市場はランニングやトランクス、ブリーフなどを対象とする。また、レッグウェア市場はソックスやタイツ、ストッキングなどを対象とする。いずれも市場規模は小売金額ベースで算出している。
<市場に含まれる商品・サービス>
レディスインナーウェア、メンズインナーウェア、レッグウェア

出典資料について

資料名2022年版 インナーウェア市場白書
発刊日2022年09月28日
体裁A4 515ページ
価格(税込)154,000円 (本体価格 140,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。