財務省の貿易統計によると、2022年上期(1月~6月)の牛肉輸出数量は、前年同期比8.5%減の3052t、輸出額は同5.5%減の211億1120万円となった。
新型コロナウイルス感染症に伴う規制緩和によって、レストラン需要など、チルド・ロインを中心にアジアの新興国や欧米向け輸出が伸長した半面、ボリュームでトップを走ってきたカンボジア向けフローズンの輸出が前年同期比で7割も落ち込んだことで、全体の牛肉輸出量・額は前年実績に届かなかった。カンボジアのみ突出して落ち込んでいるほか、ラオス向けの輸出がゼロになるなど、現地の社会情勢不安や上海のロックダウンなど中国のゼロコロナ政策が間接的に影響をしたとみられる。
品目別にみると、メインとなるロインの輸出量はチルドが前年同期比17.1%増となった半面、フローズンは35.8%減となった。
国別でみると、最大の輸出先だったカンボジアが前年同期比70.9%減と大幅に落ち込んだため、香港が576tとトップになったものの前年同期比3.8%減となった。そのほか、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、マカオといったアジア・東南アジア向け輸出は2ケタ台の増加となった。欧米でも米国をはじめ多くの輸出先で前年同期を上回っている。
〈畜産日報2022年8月1日付〉