矢野経済研究所
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キャリア自律を背景とした転職機運の高まり、成長事業への人材の流動化を促す国の施策により、マーケット拡大が見込まれる採用アウトソーシングビジネス!

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の採用支援ビジネスを調査し、主要市場分野や参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

採用アウトソーシング市場規模推移(主要3市場計)

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1.市場概況

2020年度の採用アウトソーシング(RPO; Recruitment Process Outsourcing)市場規模(3市場計)は、前年度比3.4%減の546億円となった。本調査では、採用アウトソーシング、採用管理システム、採用関連アセスメントの主要3市場を対象としており、一部重複している市場規模もあるため参考値とはなるが、2020年度はコロナ禍のマイナス影響を受けるかたちで採用活動が停滞したことから、採用管理システム以外の2市場において前年度実績を割り込む結果となった。

2.注目トピック

注目される採用支援ビジネス

労働環境を巡っては、とりわけ若年層の人材不足が顕在化している。こうした中で、若年層や優秀な人材の確保が厳しくなる中で、採用プロセスが煩雑になり、要する時間も拡大していることから、採用業務を支援・代行するアウトソーシングサービスに注目が集まるようになっている。

自社で長年蓄積してきた採用ノウハウに関しても、人材確保難が続く中で、採用成功に導く手段として通用しない事態も生じるようになっており、従来であれば自社で行われていた採用の根幹部分でもある「採用計画の立案」や「ほしい人材の要件定義」などまでを外部の専門事業者へ委託する動きが見られるようになっている。また、こうした動きに合わせて、人材採用を経営上の重要なテーマと捉え、経営戦略の一つとして投資を惜しまない企業も増えており、採用ノウハウを持つ事業者の活用機運は高まる方向にある。
このような環境下において、顧客の採用課題に合わせて提供されるサービス――採用業務を最適化し、課題解決につなげるRPOソリューション――に対する需要は着実に拡大しており、採用アウトソーシング市場の拡大をけん引する成長ドライバーとして大いに期待されている。

3.将来展望

採用アウトソーシング市場では、市場開拓余地が十分に残されている中途採用領域において、自らのキャリアを主体的に形成する「キャリア自律」に基づいた転職機運の高まりや、成長事業への人材の流動化を促す国の施策の影響等により、サービス需要が順調に拡大している。そうしたことから、2021年度の採用アウトソーシング市場規模(3市場計)は前年度比11.2%増の607億円となる見込みである。
3市場の内訳をみると、採用アウトソーシング(RPO+MSP)市場が前年度比12.2%増、採用管理システム市場が同12.5%増、採用関連アセスメント市場が同7.4%増と、すべてにおいてプラス成長を確保すると見込む。

調査要綱

1.調査期間: 2021年11月~2022年1月
2.調査対象: 中途採用を対象とした採用関連業務アウトソーシング関連事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<採用アウトソーシングとは>
採用アウトソーシング(RPO; Recruitment Process Outsourcing)ビジネスとは、企業の採用プロセスに関わる各種のオペレーション業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)のほか、事業成長の側面から採用計画を戦略的に策定するコンサルティングサービス、教育・研修サービス、その他関連サービス等と定義している。また、新卒や中途などの正社員採用に対応したRPOビジネスに加え、パート・アルバイトの採用や、派遣人材や請負人材などといった外部人材調達に対応したMSP(Managed Service Program)ビジネスも当該市場に含めている。

<採用アウトソーシング市場とは>
本調査における採用アウトソーシング市場とは、採用アウトソーシング(RPO+MSP)、採用管理システム、採用関連アセスメントの主要3市場を合算し、事業者売上高ベースで算出した。なお、今回調査より対象市場を3市場としたため、過去の公表値とは異なる。
<市場に含まれる商品・サービス>
採用アウトソーシング(RPO+MSP)、採用管理システム、採用関連アセスメント

出典資料について

資料名2022 採用アウトソーシング(RPO)市場の実態と展望
発刊日2022年01月31日
体裁A4 177ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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