イオンがキャンドゥ買収でダイソーは追放?変わる100均業界勢力図【人気過去記事総まとめ】
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すでに2022年が始まって早3ヶ月。もうすぐ今年度も終わりにさしかかり、新たな門出を迎える人も多いかもしれない。

THE OWNERでは今年度にヒットした記事を振り返る特集を企画。今年度話題を呼んだ「大型買収」の動向について振り返る記事をピックアップした。

今年度は話題の買収が多く、その中でもイオンによるキャンドゥの買収は100均業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。この他にもどのような買収があったのか、過去の記事をピックアップしながら見ていこう。

1.イオンがキャンドゥ買収でダイソーは追放?変わる100均業界勢力図

(2021/11/13 配信)

イオンが、100円ショップを展開するキャンドゥの買収に乗り出した。買収により、イオングループの店舗へのキャンドゥの出店が加速するとみられる。そこで気になるのが、キャンドゥと競合するダイソーの今後だ。すでにイオンに出店しているダイソーは追い出されるのだろうか?

イオンがキャンドゥ買収に向けて動きだした

まずは、イオンが発表した内容を振り返っておこう。イオンは2021年10月14日、「株式会社キャンドゥ株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」というプレスリリースを出した。これは、キャンドゥをイオングループに迎えるためにTOB(株式公開買い付け)を実施し、キャンドゥの株式の51%以上を取得することを目指すというものだ。

イオンはプレスリリースの中でキャンドゥ買収の狙いについて、「キャンドゥにさまざまな形態の出店機会を提供することが可能となる」と説明した。さらには、「キャンドゥの出店拡大による業績の向上やコスト削減が見込めるなど、相乗効果が期待できます」と強調している。

イオンは、総合スーパーやスーパーマーケット、小型店舗など、さまざまな業態で小売店を展開しており、すでにキャンドゥが出店している店舗もあるが、恐らく買収が成立した後は、それぞれの業態にあった形でキャンドゥの展開が拡大されていくものとみられる。

詳細についてはまだ明らかにされていないが、例えば、総合スーパーであればテナントとしての出店拡大、スーパーマーケットや小型店舗であれば一ブランドとして特設コーナーを展開、といった具合ではないか。

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2.ウェブシャーク、ビーズソファブランド「Yogibo」買収

(2022/01/13 配信)

株式会社ウェブシャーク(大阪府大阪市)は、Yogibo LLC.(アメリカ・ニューハンプシャー州、Yogibo)を買収することを決定し、持分譲渡契約を締結、全持分取得を完了した。

ウェブシャークは、「Yogibo」の日本総代理店、世界初エッグウィッチ専門店「ドン・ウォーリー・エッグウィッチ」の運営、社会課題の解決を促進する広告を企画する「TANZAQ」の運営を行っている。

Yogiboは、ビーズソファブランド「Yogibo」の製造・企画・販売を世界中に展開している。

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3.Googleがpring買収でスマホ決済市場へ乱入 PayPayや楽天ペイはどうなる?

(2021/08/07 配信)

日本で普及しているスマホ決済サービスと言えば、楽天ペイ、PayPay、LINEペイなどが頭に浮かぶが、数年先には「Googleペイ」が真っ先に思い浮かぶことになるかもしれない。Googleが東京の新興企業pring(プリン)を買収し、日本のスマホ決済市場への参入の狼煙を上げたからだ。

Googleがスマホ決済スタートアップpringを買収

Googleは2021年7月、pringを買収することを発表した。pringはスマホ決済・送金アプリを開発・運営しているスタートアップ企業で、Googleはpringの全株式の取得のため、pringの筆頭株主であるメタップスなどと合意したことを明らかにした。

ただし、日本国内におけるスマホ決済サービスでは、pringの存在感は低い。楽天グループが展開している楽天ペイ、Zホールディングスが展開するPayPay、LINEが展開するLINE Payと比べると、ユーザー数は100分の1程度だ。

Googleがpring買収でスマホ決済市場へ乱入 PayPayや楽天ペイはどうなる?

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4.クスリのアオキが食品スーパーを買収 続く買収の理由は?

(2022/02/27 配信)

近年、食品スーパーの業界で買収が相次いでいる。クスリのアオキによる岩手の食品スーパーの買収、大阪で同業2社を買収したバローホールディングスなどだ。このような買収が相次いでいるのには、共通の背景があるのか。それとも案件ごとに事情は異なるのだろうか。考察してみる。

クスリのアオキ:岩手県の食品スーパー企業など2社を買収

早速、具体的な買収案件を分析していこう。まずは、石川県白山市に本社があるクスリのアオキのケースからだ。

・「ドミナント戦略」のための買収

クスリのアオキは、中部、関東、近畿、東北の各地域でドラッグストアを展開している。創業は1869年(明治2年)と古く、親会社であるクスリのアオキホールディングスは東証1部上場企業だ。

クスリのアオキは2022年1月4日、岩手県一関市に本社を置く「ホーマス・キリンヤ」と「フードパワーセンター・バリュー」を吸収合併すると発表した。

ホーマス・キリンヤは、岩手県と宮城県で食品スーパーを6店舗、衣料品店を2店舗展開しており、フードパワーセンター・バリューはホーマス・キリンヤの店舗で販売する食料品や日用雑貨の仕入れを担っている企業である。クスリのアオキは岩手県に2020年に進出しており、この2社の買収で岩手県や宮城県における事業展開を盤石なものとする考えのようだ。

報道発表では「本合併により、当社グループの東北地区におけるドミナント(編注:集中的に店舗展開すること)を強化することで、今後、当社グループの一層の企業価値向上に努めてまいります」としている。

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村田製作所の米国子会社、米レゾナントを買収

(2022/02/15 配信)

株式会社村田製作所(6981)は、米国子会社のMurata Electronics North America, Inc.(アメリカ・ジョージア州、MENA)が、Resonant Inc.(アメリカ・テキサス州、Resonant 社)を買収することを決定、合併契約を締結した。

本件に伴い、Resonant社は、村田製作所の連結子会社となる。
買付価格は、普通株式1株当たり4.5米ドル。
買付けに要する資金は、約336億円。

MENAの完全子会社として新たに設立された買収目的子会社であるPJ Cosmos Acquisition Company, Inc.(PJ Cosmos AC)を通じて、 Resonant社に対し、現金による株式公開買付けを実施。
その後、Resonant社を存続会社とするPJ Cosmos ACとResonant社の現金対価での吸収合併を実施する。

PJ Cosmos ACは、その関係会社などの既保有分と合わせてResonant社の発行済み普通株式の50%超となる株式の応募があった場合に本公開買付けを実行する。

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いかがだっただろうか。昨年度はイオンのキャンドゥ買収の他に、Googleによるスマホ決済・送金アプリを開発・運営しているpring(プリン)の買収などがあった。これらの買収によって私たちの生活はどのように変化するのか注目していきたい。

文・THE OWNER編集部

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