「影響力のあるテクノロジー」の開発を目標に掲げ、2018年にイスラエルで設立された「Hilma」。障がいを持つ人々の支援や若者の技術リーダーシップスキル育成を行い、より良い社会づくりのテクノロジーを開発しています。
これまでHilmaでは、社会に役立つ多くのテクノロジーを開発してきましたが、今回紹介するのは高齢者支援アプリ「Albi(アルビ)」です。
思い出を残すAlbi
「Albi」は認知症やアルツハイマーを抱える高齢者支援アプリです。高齢者、とりわけアルツハイマーを含む認知症を持つ人々は、子供の頃の思い出や人生経験に加えて、家族のことまで忘れてしまうことがあります。これは本人だけでなく、その過程を目の当たりにする彼らを愛する周囲の人々にとっても、苦痛なことです。幸いなことに、専門家たちは、適切な処置をすれば進行を遅らせることができると主張しています。ここでHilmaのAlbiが登場します。
人生のカプセル
このアプリでは、高齢者の感情と記憶を刺激するパーソナライズ化された写真や動画、音声を保存することで、貴重な思い出を忘れずに記憶することができます。記憶力を鍛え、向上させつつ、その過程で家族との絆を深める機会も提供するのです。また、家族はいつでも新しい写真や動画を追加できるので、繰り返しアクセスする形で自伝を維持することができるのです。さらにこのアプリでは、ユーザーが過去にどんな経験・体験をしたかによってパーソナライズ化されたゲームがプレイできます。このゲームは、実際に記憶を保つ助けになることが立証されています。
Albiは、高齢者の記憶を何度でもアクセスできるユニークなタイムカプセルに閉じ込め、記憶を呼び起こし、家族と共有するために作られました。記憶の衰えを防ぎ、自伝を生きたものにし、家族に受け継ぐことのできる尊厳を全ての人に与えるのです。
開発者たちからのメッセージ
現在、アプリで使用できる言語はヘブライ語と英語のみですが、世界中で使用してもらうため、さらに多くの言語を追加することが可能です。Hilmaはこの技術開発に関心がある日本の現地パートナーを募集しています。特に老人ホームやリハビリテーションセンター、認知症ケアサービスや高齢者福祉に携わる方々は大歓迎です。