日本株価上昇ランキング、1位は1年で株価6倍のあの企業!
(画像=aijiro/stock.adobe.com)

株式投資における年間リターンは、10%もあれば御の字と言えるだろう。20%なら非常に立派な成果だ。運良くその年の高騰銘柄に投資できていれば、資産が1年で2倍、3倍、4倍になるケースもある。2021年の日本株の株価上昇率ランキングを紹介していこう。

2021年の株価上昇率ランキング

会社四季報オンライン編集部は2022年1月14日、「2021年の株価上昇率ランキング」を公表した。ランキングでは、2020年12月30日(2020年の取引最終日)と2021年12月30日(2021年の取引最終日)の終値を比較して株価上昇率を算出し、順位付けしている。

早速その結果を紹介していこう。以下の通りだ。

日本株価上昇ランキング、1位は1年で株価6倍のあの企業!

1位はグローバルウェイで542.8%高、2位はFRONTEO(フロンテオ)で436.4%高となっている。倍率にすると、それぞれ1年間で株価が6.4倍、5.3 倍になった計算だ。

2021年、東証株価指数(TOPIX)の上昇率は約10%、日経平均株価の上昇率は約5%だったことから考えると、これらの企業の株価の上昇率がいかに飛び抜けているかよく分かると思う。この2社がどのような企業なのか。次の項から説明していこう。

1位:グローバルウェイ(証券コード:3936)

グローバルウェイは東証マザーズに2016年4月に上場した企業だ。ITコンサルティングサービスやシステム開発基盤の構築支援サービス、転職・就職メディアなどを展開している。過去5年の損益は5年連続赤字で、2021年3月期は1億8,700万円の損失を計上している。

グローバルウェイは、暗号資産(仮想通貨)の売却で営業外収益を計上し、2021年7月に業績予想の上方修正を行った。それまで株価は1,000円台後半で推移していたが、このことがきっかけに株価が高騰し、8月に年初来高値となる8,390円をつけた。

株式分割の発表なども株価の上昇に弾みをつけ、2021年の1年間で最も株価上昇率が高い銘柄となった。

2位:FRONTEO(証券コード:2158)

FRONTEOは東証マザーズに上場している企業で、上場したのは2007年6月だ。AI(人工知能)開発を手掛けており、強みのサービスのひとつが、AIを使って国際訴訟や不正調査の証拠発見に寄与する「リーガルテックAI」となっている。

FRONTEOの株価は2021年後半に大きく上昇した。きっかけは決算発表だ。2022年3月期第2四半期(2021年4~9月期)の決算が11月に発表され、売上高が前年同期比17.4%伸び、営業利益は赤字から黒字に転換した。2022年3月期の通期業績を上昇修正したことも大きい。

11月から12月にかけ、株価は高騰し、そして暴落の流れとなったが、結果として年間で同社の株価は436.4%高となった。

日本の老舗企業はどうだった?トヨタや日本郵船は?

1位のグローバルウェイも2位のFRONTEOも、時価総額は小さめだ。グルーバルウェイは約80億円、FRONTEOは約950億円で、「中小型株」の部類に入る。一方で、時価総額が大きな「大型株」の2021年のパフォーマンスはどうだったのか。

日本の時価総額1位のトヨタ自動車(証券コード:7203)は、2020年12月30日の終値が1,591.4円、2021年12月30日の終値は2,105.5円だったことから、1年間の株価上昇率は32.3%ということになる。グローバルウェイやFRONTEOからは見劣りするが、大型株としては立派な数字だ。

大型株の中で上昇率が高かったのが、日本郵船(証券コード:9101)だ。2021年の株価上昇率は264.6%だった。このように、日本の老舗企業の中にもパフォーマンスが高かった企業があることは、知っておきたい。

2022年の株式相場はどうなる?「お宝株」は見つかる?

この記事では2021年の株価上昇率ランキングを紹介してきたが、いまはすでに2022年だ。今年の相場はどうなるだろうか。結論を言えば、予想するのが非常に難しい1年となりそうだ。コロナ禍が収束するかしないかによって、相場の状況は大きく異なると考えられるからだ。

また、日本市場がアメリカ市場の影響を受けやすいことを考慮すれば、下振れリスクが大きいかもしれない。アメリカではいま高いインフレ率に悩まされており、金融引き締めを強化する流れとなっている。このようなムードを受け、年初から米国株は大きく下落している。

この状況の中で、株価が1年で大きく伸びる「お宝株」を見つけるのは簡単ではないが、注意深く経済ニュースや市況を読んでいけば、ヒントは見つかるかもしれない。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

無料会員登録はこちら