2021年9月22日12:00(現地時間)からロンドンにて、Bonhams(ボナムズ)の「Prints and Multiple」オークションが開催。プリント作品が中心に出品され、上位をイギリスの匿名ストリートアーティスト・バンクシーが独占する結果となった。本記事は落札価格トップ5(9月24日時点で落札価格調整中のものを除く)の作品とANDARTが扱うアーティストの作品を紹介。金額は1ポンド=151.44円で計算(9月24日17:00時点)。

5)バンクシー《Turf War》
落札価格:4,581,157円

バンクシー《Turf War》
(画像=バンクシー《Turf War》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

イギリスの元首相、ウィンストン・チャーチルの有名なポートレートが元になった2003年の作品。「Turf War(ターフ・ウォー)」とは、バンクシーが2003年に開催した伝説のゲリラ・エキシビションの名前。チャーチルは第2次世界大戦時、イギリスを復活させたヒーローとされながらも、人種差別思想の持ち主で、植民地政策を推進したと批判される人物。そんなチャーチルの髪型をパンクロックな緑のモヒカンにすることで「反体制派」へと変えた皮肉たっぷりの表現がされている。

予想落札価格:約378万円〜530万円

4)バンクシー《Flying Copper》
落札価格:4,770,461円

バンクシー《Flying Copper》
(画像=バンクシー《Flying Copper》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

《Flying Copper》は、スティーブ・ラザリデス(イギリスのストリートアート普及に貢献した写真家/コレクター/キュレーター)とのコラボレーションで2003年にリリースした作品。初めはラザリデスの車のトランクで、1枚40ポンドで販売された。武装した警察官とは対照的な背中の天使の翼とスマイリーフェイスが、バンクシーならではなコントラストの強さだ。この作品には、ピンクのスマイリーフェイスになった珍しいバージョンも存在する(今回落札されたのは600部サインなしの作品)。

「警察」というテーマに繋がって、防弾チョッキを着た子どもたちを描いたバンクシーの《Jack and Jill (Police Kids)》という作品はご存知だろうか。

予想落札価格:約302万円〜約454万円

3)バンクシー《Love Rat》
落札価格:5,716,982円

バンクシー《Love Rat》
(画像=バンクシー《Love Rat》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

バンクシーといえば、真っ先にこのネズミの作品を思い出す人は多いのではないだろうか。これは2004年にプリント制作される前に、リバプールに登場した壁画である。ネズミが筆で真っ赤なハートをペイントし、流れ落ちる赤色は血液にも見える。かわいらしく見えても、どこか含みのある表現をしているのがバンクシーらしい。

ネズミや猿など動物のモチーフは度々バンクシーの作品に登場するが、ANDARTでは有名な犬のロゴをオマージュした作品《HMV》を取扱い中。

予想落札価格:約378万円〜530万円

2)バンクシー《Pulp Fiction》
落札価格:7,231,414円

バンクシー《Pulp Fiction》
(画像=バンクシー《Pulp Fiction》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

クエンティン・タランティーノの映画『パルプ・フィクション』をオマージュした2004年の600部限定、サイン無しの作品。ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが拳銃を構えるこのシーンは、実際の映画にも登場する有名なシーン。アメリカの人気映画をモチーフに使い、そして拳銃をバナナに置き換えることで、バンクシーはユーモアを含めて反銃社会や反暴力を訴えているのではないかと言われている。

予想落札価格:約530万円〜681万円

1)バンクシー《Girl with Balloon》
落札価格:18,968,264円

バンクシー《Girl with Balloon》
(画像=バンクシー《Girl with Balloon》)

バンクシーの代表作と言われる《Girl with Balloon》(2004年)が他作品と大幅な差をつけて落札。2018年、同じ絵柄のキャンバス作品がサザビーズに出品された際、落札と同時に額に仕掛けられたシュレッダーで、作品の半分が裁断されるというアート史上に残る事件を巻き起こしたことで知られている。同作品は、10月14日サザビーズで再度出品されることが決定。今回の落札結果から見ても、《Girl with Balloon》は特に人気であり、常に注目を集める作品だということは間違いない。

予想落札価格:約1,514万円〜2,271万円

今回落札された作品は、バンクシーの作品の中でもほんの一部。もっとバンクシーの作品について知りたい方、一気に振り返りたい方はこちらの記事がおすすめ。

ANDART取扱いアーティスト・作品落札結果

・バンクシー《Napalm》
落札価格:3,823,941円

バンクシー《Napalm》
(画像=バンクシー《Napalm》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

誰もが知るアメリカの人気キャラクターは、バンクシーが反資本主義を表現する時に度々使われるモチーフ。中央で泣き叫ぶ少女は、1972年にフォトグラファー、ニック・ウットが撮影したベトナム戦争の有名な写真から切り取ったもので、「Napalm(ナパーム)」とは、戦時投下された「ナパーム弾」のこと。今回落札されたのは600部限定のサインなしのプリント作品。ANDARTでは、より希少価値の高い150部限定サインありの《Napalm》を扱っている。

・ダミアン・ハースト《Valium》
落札価格:3,066,725円

ダミアン・ハースト《Valium》
(画像=ダミアン・ハースト《Valium》)

画像引用:https://www.bonhams.com/

イギリスを代表する現代アーティスト、ダミアン・ハースト。《Valium》はハーストの代表作群のひとつとされる、「スポット・ペインティング」シリーズの円の形をした作品で、2000年に500部限定で制作されたもの。スポット・ペインティングのドットは覚醒剤(医薬品)の錠剤がイメージされていて、「Valium」は、胃の検査のときに使う「バリウム」ではなく、精神安定剤の名前を指している。

ANDARTではこの同シリーズの作品を取扱いスタート。あわせてスポット・ペインティングシリーズの解説記事もおすすめ。

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文:ANDART編集部