2021年9月28日に開催されたBonhams(ロサンゼルス)「Prints & Multiples」オークションの落札額TOP5と作品解説を紹介する。本オークションの落札価格上位はANDARTでも取り扱いのあるあのアーティストが独占。ぜひANDARTの作品と合わせてチェックしていただきたい。(落札価格は手数料込み。1$=111.53円で計算(9月28日時価))

5)フランク・ステラ《Tales of Genji IV, from Tales of Genji》
落札価格:約839万円($75,312)

フランク・ステラ《Tales of Genji IV, from Tales of Genji》
(画像=フランク・ステラ《Tales of Genji IV, from Tales of Genji》)

画像引用:https://www.bonhams.com/
フランク・ステラはアメリカ・マサチューセッツ州出身のアーティスト。ジャスパー・ジョーンズの作品に影響を受け、色・形を極端に抑えたストライプを描く「ブラック・ペインティング」を制作しはじめるなどミニマル・アーティストとして知られている。1980年代以降は多彩な色や形を用いた作品なども制作し始め、立体的でダイナミックな作品も制作するようになる。本作は予想落札額の2倍以上の価格で落札された。

予想落札価格:約278万円〜約390万円($25,000 – 35,000)

4)アンディ・ウォーホル《$ (1)》
落札価格:約1,049万円($94,062)

アンディ・ウォーホル《$ (1)》
(画像=アンディ・ウォーホル《$ (1)》)

画像引用:https://www.bonhams.com/
ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの作品が3作続けてランクイン。ウォーホルの代名詞とも言えるシルクスクリーンプリントで、ドルマークが描かれている。ウォーホルの制作の代表的なテーマであったアメリカの資本主義を題材としているのだろうか。ウォーホルは他にも様々な色彩のドルマークや、ドル紙幣をモチーフにした作品なども制作している。

予想落札価格:約557万円〜約780万円($50,000 – 70,000)

3)アンディ・ウォーホル《Alexander the Great》
落札価格:約1,355万円($ 121,562)

アンディ・ウォーホル《Alexander the Great》
(画像=アンディ・ウォーホル《Alexander the Great》)

画像引用:https://www.bonhams.com/
本作のモチーフであるアレキサンダー大王は、スイスのプライベートコレクションにあるヘレニズムのブロンズ胸像に基づいている。1980年代までに、ウォーホルは、19世紀のヨーロッパの絵画から象徴的なイタリアのルネサンスの肖像画まで、美術史のあらゆるテーマを流用していたが、本作はウォーホルが唯一、古典的な彫刻を題材にしたシリーズとも言われている。本作は予想落札価格の約2倍の価格で落札された。

予想落札価格:約446万円〜約669万円($40,000 – 60,000)

2)アンディ・ウォーホル《John Wayne, from Cowboys and Indians》
落札価格:約1,537万円($ 137,812)

アンディ・ウォーホル《John Wayne, from Cowboys and Indians》
(画像=アンディ・ウォーホル《John Wayne, from Cowboys and Indians》)

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カウボーイ姿のアメリカの俳優ジョン・ウェインことマリオン・ロバート・モリソン。彼が出演する映画「リバティ・バランスを撃った男」の広告写真がモチーフとなっている。本作はウォーホルが亡くなる1年前の1986年に制作された。著名人のポートレートシリーズはウォーホルの代表的な作品だが、ピッツバーグで育った彼は、映画、特に西部劇に魅了されていたという。ANDARTではウォーホルのポートレートシリーズの一つ《Liz》を取り扱っているのでせひチェックしていただきたい。

予想落札価格:約780万円〜約1,003万円($70,000 – 90,000)

1)エド・ルシェ《Hollywood》
落札価格:約2,234万円($ 200,312)

エド・ルシェ《Hollywood》
(画像=エド・ルシェ《Hollywood》)

画像引用:https://www.bonhams.com/
エド・ルシェはアメリカ出身の現代アーティスト。主に言葉と広告媒体のイメージを用い、コンセプチュアル・アートとしての特徴を持った絵画、写真、版画、映画などの制作を行っている。1956年にロサンゼルスに移住し、アメリカ西海岸の代表的なアーティストの彼にとって馴染み深いであろうハリウッドのシンボルをモチーフにした作品。本作は予想落札価格を大幅に上回る価格で落札された。

予想落札価格:約892万円〜約1,338万円($80,000 – 120,000)

ANDART編集部が落札情報をピックアップ!

アンディ・ウォーホル《One Plate, from Kiku》
落札価格:約449万円($ 40,312)

アンディ・ウォーホル《One Plate, from Kiku》
(画像=アンディ・ウォーホル《One Plate, from Kiku》)

画像引用:https://www.bonhams.com/
本作は80年代バブル期の東京とニューヨークを往復し制作された作品。ウォーホルとNYのファクトリーの指示のもと、東京の「現代版画センター」にて刷られた。菊の花のモチーフは日本の皇族の象徴としてウォーホル自身が選んだもの。本作は300部限定で刷られたサインありのシルクスクリーン作品。鮮やかな色のグラデーションと繊細な線画が非常に美しく、予想落札価格を上回る価格で落札された。ウォーホルと日本のつながりを感じさせる「KIKU」シリーズは、ANDARTでも取り扱いがあるのでぜひチェックしてみて欲しい。

予想落札価格:約223万円〜約334万円($20,000 – 30,000)

今回オークション落札額上位を独占したアンディ・ウォーホルだが、ANDARTでは他にも彼の作品を取り扱っているのでぜひこちらも合わせてチェックしていただきたい。

COW
(画像=COW)

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