国内マーチャントは不正対策を改めて見直すべき?

私たちの生活で、商品をオンライン購入するのは、既に日常のショッピングスタイルです。大型のマーケットプレイスでは、日用品から食品、ファッション、そして高級品にいたるまで何でも買うことができます。商品を販売する企業やマーケットプレイス運営者をマーチャントと呼びますが、マーチャントは購買客のアカウントログインやクレジットカード決済を安全に保護する必要があります。日本国内ではあまり不正は起きていない、というのが一般常識のように業界で定着していますが、昨今インバウンド客が国内に増えたのと同じように、海外からのオンラインショッピング率も増えています。さらに国内マーチャントが、「日本は安全」という認識から不正対策に最新技術を導入しておらず、海外からの不正の標的になりつつあるのが現状です。

「Riskified(リスキファイド)」機械学習によるAIの不正対策で、業界をリード
(画像=「Riskified(リスキファイド)」機械学習によるAIの不正対策で、業界をリード)

日本の不正対策は「ルールベース・スコアリング」が基本

国内の不正対策は「ルールベースやスコアリング」という幾重ものルールを予め設定して、アカウントログイン時やクレジットカード決済時に不審な操作があった際、取引を拒否するなどして安全を確保します。ただ、このルールベースの不正対策には限界があり、ルールを更新するのに時間を要し、さらにマーチャントにも多大な負担が発生します。また、モデルを確立するまでの間に、不正を仕掛けてくる側と安全対策を構築する側でギャップが生まれます。たとえば、ある一瞬で1万回のアカウント乗っ取り攻撃が来たとします。もしルールに間違いがあったら、この1万件の攻撃は全てアカウントの乗っ取りに成功してしまう危険性があるのです。

機械学習アルゴリズムを取り入れた、AIの不正対策プラットフォーム

2012年創業で、イスラエルに研究開発を置く「Riskified(リスキファイド)」は、不正対策に機械学習アルゴリズムを取り入れ、ルールベースやスコアリングに一線を画す新技術を提供します。2019年にRiskifiedは、イスラエルの経済紙カルカリストで、もっとも期待されるスタートアップとして、一位を飾りました。上の例をとってみれば、1万回のアカウント乗っ取り攻撃を受けた際に、Riskifiedならネットワーク内でその攻撃を認識して、不審と判断し、迅速に対応することが可能です。機械学習アルゴリズムのAIによって、常に失敗から学び、プラットフォームは絶えずその対策を向上させます。

100%チャージバック保証でマーチャントに収益をもたらす

もうひとつ、Riskifiedには他にはない特徴があります。それは100%のチャージバック保証です。今までマーチャントは「不正っぽい」と判定された取引の場合、そのリスクを回避するために取引を拒否してきました。この拒否された取引には、誤った判定も含まれ、マーチャントは本来の収益を、安易にも失っているのです。この損失は、実は年間で莫大な額に上ります。Riskifiedは、このようなグレーゾーンの判定であっても、承認した全ての取引に対して責任を負います。一般的にチャージバック保証がある場合、毎月固定の高額な保険手済料を支払いますが、不正対策業界を世界的にリードするRiskifiedは、承認した取引のみに課金をする、新ビジネスモデルを提供しています。

Riskified
(画像=Riskified)

今回はRiskifiedのVPセールス、アヴィラム・ガノウ(Aviram Ganor)氏 にお話を伺うことができましたので、皆様にご紹介いたします!

Riskified アヴィラム・ガノウ氏インタビュー

―――Riskifiedの原点を教えてください。

Riskifiedの創業者で、CEOのエイド・ガル(Eido Gal)氏とCTOのアサフ・フェルドマン(Assaf Feldman)氏は、フィンテック企業での就労経験を通し、成長を続けるEコマース業界において、不正対策を充実させていくことの必需性を感じていました。マーチャントが必要以上に用心深くなった場合、収益の機会損失と顧客を失う結果に陥ります。Riskifiedの原点は、情報量に限りのある、従来のルールベースに勝り、マーチャントに最大の利益をもらたす、チャージバック保証の仕組みを構築することでした。

―――詐欺行為の変化と対策について教えてください。

今まではクレジットカードの詳細を盗むといった不正が一般的でした。最近は、Eコマースの急成長や様々な不正対策ツールの出現により、詐欺集団はデータ収集に注力し、いかにも本当らしい取引を再現してきます。アカウント乗っ取りは、その代表的な例です。Riskifiedは、常に最先端の技術を導入し、かなり早期に対策を講じることができます。詐欺の手法が日々進化していくのに対し、その一歩先をいくことを目指し、マーチャントに常に最新の不正対策ソリューションを提供していきます。

―――Riskifiedのビジョンは何ですか?

商品もサービスもオンラインで販売されるデジタルな時代において、Eコマースというショッピング環境は詐欺の標的になっています。ただ、不正対策が厳しすぎて、購買客にたくさんの認証を求めるような仕様は、顧客体験を損なう可能性があります。マーチャントは、Riskifiedのように不正対策に精通し、ノウハウのあるソリューションを導入することで、競争力の維持と向上が可能です。Risikifiedもまた、新サービスや商品によって、マーチャントが購買客により良いショッピング体験を提供でき、最大の収益化を図れるよう、日々成長をしていきます。

Riskified
(画像=Riskified)

Riskified
<ウェブサイト(英語)>
https://www.riskified.com/