さて、前回の記事ではアートを購入するにあたって押さえておきたいポイントをご紹介させていただきましたが、今回はアート購入後、類似作品の値動きがあった時、特に値段が下がった時などはどうすれば良いのか?その時にできることや心がまえの部分について、ご紹介したいと思います。
◆まず大前提として、「アートは中長期的な資産」です!
アートへ投資する際に、まず心得ておいていただきたいこと。それは、あらゆる投資分野がある中で、「アートは中長期的な資産を築くものである」ということです。
いざアート投資を始めてみた時、これまで株式でも短期トレードやREITなどに投資経験のある方はとくに、値動きは比較的ゆるやかで、かつ目立った大きな変動もあまり見られないため、株などと比べるとリアリティや目新しさがなく、時に、やや物足りなく感じられるようなこともあるかも知れません。
しかし、裏を返してみれば、その分手堅く、また日々の値動きに一喜一憂することなく、むしろ価値が上がっていくことをじっくり見守ってゆくことのできる安定的な資産、と言うこともできるのです。
とはいえ、投資を続けていく中で、価値が下がってしまうこともあり、その時に「どのように対処すればいいのだろう?」と、迷われることもあるのではないでしょうか。
そんな時に思い出してほしいのは、アート作品は5〜10年で価値が上がっていくことが多い、ということです。
これは身近な例を考えてみるとイメージしやすいと思うのですが、ある商品やモノの企画・開発段階を経て世に出て広く認知されていくまでには、それなりの時間を要する、ということを考えてみると、分かり易いのではないかと思います。
もちろん例外もありますが、とくにアートや芸術の世界では、その評価がすぐに目に見えるかたちで認知されるわけではないため、サポーターやファンがアーティストの活動をじっくりと見守り応援を続けていく姿勢も、大切になってきます。
ただ、本当に好きで、惚れ込んで購入を決めたアーティストであれば、評価が上がっていく過程を見守ることも、投資に関わる楽しみの一つとなるはず。そしてその結果として、これ!と思うアーティストが、数年後に大ブレイクして価値が一気に上がるという可能性も、将来的には十分に起こり得ることだからです。
たとえば作品の価値が上がる際のわかりやすい例としては…
- 知名度のあるギャラリーが高く評価した時
- 著名なキュレーターやギャラリーオーナーが特定のアートについて言及した時
- 著名人がアートを購入したというニュースがある時
等々が挙げられます。
こうした出来事によって、一気にそのアーティストなり作品なりが、世に広く知れ渡ることとなり価値が一気に跳ね上がる、ということもあります。
その意味でも、日々アートニュースをチェックすることや、市場全体の俯瞰図を見て動向を知ることが、とても大切になってきます。
◆中長期的な資産形成を考えるなら、下がった時に購入するのも選択肢の一つ。
アート投資を始めた方の中には、「純粋に好きなアーティストを長い目で見守りたい」という方だけでなく、中長期的な資産形成という部分に魅力を感じて始めた、という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は、短期的に下がっている兆候が見られた時は「買い増す」ということも一つ、視野に入れてみてはいかがでしょうか。
こうしたケースは株式投資と同様に、価格が下がったときに新たに購入することによって、中長期的なリターンを狙うこともできるからです。もちろん短期的にではなく、明らかに価値が下がっていることがわかるようなことがある場合は、売却するという選択肢もあるでしょう。
ANDARTでは1口1万円からオーナー権を購入することができ、また気軽に会員間で売買することもできるので、そういった値動きでご自身のアートのポートフォリオを調整したいという方にもおすすめできるサービスです。
しかし投資においては、短期的に下がるというケースは決して珍しいことではありません。そのため、そうした一時的な現象のみを判断基準とするのではなく、ここで改めて「アートは中長期的な資産である」ということを思い起こすことで、前向きに新たな策を検討してみることも大切になってきます。
◆アート関連の情報チェックは忘れずに。
これまでの内容をお読みいただいて、すでにお気づきの方もいらっしゃることと思いますが、ここで改めて。
アート投資を行う上で、日々、関連情報をチェックすることは、とても大切なこととなります。
前述した通り、「アートは中長期的な資産」ではありますが、ある時、作品の価値が上がるというニュースが報道されることによって、一気に価値が上がるという可能性も秘めています。そしてそれが、いつ起こるか?ということは、誰にもわかりません。
だからこそ、日々情報をチェックして、アート業界で起こっている動向に目を向け、常に市場に対する勘のようなものを研ぎ澄ませておく必要があるのです。
また、そのようにして情報に触れ続ける中で、価値が上がった要因、あるいは逆に下がった要因ということも冷静に分析できるようになり、さらには今後価値が上がる見込みも含めて大局をつかめるようになり、今この瞬間、ここぞ!という時に閃きがやってくるようなことも起こるでしょう。
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