2020年の国内血液分析装置市場規模は前年比0.9%減の569.2億円
~コロナ禍により市場規模は微減となったものの、リプレイス需要は堅調に推移~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の血液分析装置市場を調査し、製品品目別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
国内の血液分析装置(9品目)市場規模推移・予測
1.市場概況
本調査の対象とする血液分析装置は、検体検査装置のうち生化学的検査に属する生化学自動分析装置、ドライタイプとしてのドライケミストリーシステム、電解質分析装置、グルコース分析装置、生理検査の血液ガス分析装置、血液学的検査の血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫学的検査による免疫反応測定装置およびグリコヘモグロビン分析装置(臨床分野専用機種の液体クロマトグラフ)の9品目である。
血液分析装置9品目合計の2020年国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比0.9%減の569億2,000万円であった。近年の傾向として、市場は横ばいで推移している。病院施設や検査センターへの製品導入が一巡し買い替え(リプレイス)需要中心であることや、病院数が微減傾向にあり、装置の売上が伸び悩んでいることが挙げられる。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大により検査需要の減少、営業機会の損失、納入の遅延等のマイナス要因もありながら、一部製品群において伸長がみられた。
2.注目トピック
新型コロナウイルス感染症拡大により一部製品群が注目されるも横ばいまたは微増傾向
2020年は、経済の停滞、社会活動の変化など新型コロナウイルス感染症の拡大が大きな影響を与えている。当該市場では特に、新型コロナウイルス感染症の重症度判定の検査において血液ガス分析分野、血栓症との関連が注目されたことで血液凝固分野、白血球等の検査での血球計測分野などで需要の拡大が期待された。さらに免疫反応測定装置では、一部のメーカーから新型コロナウイルス感染症の抗原検査試薬が発売されたことで注目を浴びた。
結果として、一部の免疫反応測定装置では特需がみられたものの、他の製品群では患者数の減少による検査需要の低下、医療機関への営業活動の停滞および装置納入の遅延などのマイナス要因の方が大きく、横ばいまたは微増傾向となっている。
3.将来展望
血液分析装置9品目合計の2021年国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、563億8,000万円(前年比0.9%減)の見込みである。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う検査需要の減少、営業活動の停滞からの回復に向かう一方で、一部メーカーでのコロナ禍による特需が収束することから市場全体では横ばい傾向を見込む。2021年以降、同市場は買い替え(リプレイス)需要中心に横ばいでの推移が見込まれ、2024年の市場規模は2020年比0.4%減の566億8,000万円になると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年4月~6月 2.調査対象: 血液分析装置・試薬メーカー、臨床検査受託企業 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、および間接調査、文献調査を併用 |
<血液分析装置市場とは> 本調査における血液分析装置市場とは、検体検査装置のうち生化学的検査に属する生化学自動分析装置、ドライタイプとしてのドライケミストリーシステム、電解質分析装置、グルコース分析装置、生理検査の血液ガス分析装置、血液学的検査の血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫学的検査による免疫反応測定装置およびグリコヘモグロビン分析装置(臨床分野専用機種の液体クロマトグラフ)の9品目を対象としている。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 生化学自動分析装置、ドライケミストリーシステム、電解質分析装置、グルコース分析装置、血液ガス分析装置、血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫反応測定装置、高速液体クロマトグラフィー・グリコヘモグロビン分析装置 |
出典資料について
資料名 | 2021年版 血液分析装置に関する市場動向調査 |
発刊日 | 2021年06月29日 |
体裁 | A4 276ページ |
定価 | 363,000円 (本体価格 330,000円) |
お問い合わせ先
部署 | マーケティング本部 広報チーム |
住所 | 〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2 |
電話番号 | 03-5371-6912 |
メールアドレス | press@yano.co.jp |
©2021 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。