コロナ禍の影響などで急拡大するEC市場を背景に、2020年度の国内ECサイト構築支援サービス市場規模は前年度比8.6%増の1,680億円と推計
~開発スピードや低コスト、拡張性でクラウド型ECサイト構築支援サービスが主流に~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、ECサイト構築支援サービス市場を調査し、市場概況、サービス事業者の動向を明らかにした。
国内ECサイト構築支援サービス市場規模推移と予測
1.市場概況
コロナ禍において、対面でのビジネスが困難となり、EC化率が急増し、ECによる取引が世界中で急拡大している。
それに伴い、ECサイトの構築支援サービスを提供する事業者が増え、関連する市場も共に拡大している。EC技術の進展により、ECサイトを利用し販売する事業者は様々な支援サービスを活用することで、より低コストで簡単にECサイトを構築・運用することが可能になっている。また、無料のECプラットフォームが増えており、参入障壁が低くなって、小規模なEC事業者の新規参入が増えている。それに加えて、新型コロナウイルスの影響で、これまでECに参入していなかった大手のユーザー企業も新たにEC事業に参入、あるいは既存のEC事業を強化している。
2020年度の国内ECサイト構築支援サービス市場(事業者売上高ベース)は 、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要拡大を背景として、前年度比108.6%の1,680億円に達したと推計する。
2.注目トピック
ECサイト構築運用技術の進展とクラウド型の成長
ECサイトの開発手法のトレンドとしては、開発スピードとコストの面でクラウド型が近年注目を集めている。クラウド型ソリューションの特徴は、圧倒的な開発スピード、低コスト、拡張性である。また、 ユーザー企業のECショップの事業規模が拡大したら、それに応じて必要な機能を追加したり、外部システムとの連携なども可能になっている。このようなメリットから、クラウド型のECサイト構築支援サービスへの参入事業者が増えて、今後の市場はクラウド型が主流になっていく見通しである。
クラウド型のECサイト構築支援サービスとしては、グローバル展開が簡易にできる「Shopify」や、初期費用無料でECサイトが構築できる「BASE」、「STORES」などのサービスが注目されている。
3.将来展望
国内のECサイト構築支援サービス市場は今後もコロナ禍で巣ごもり需要など特需がしばらくは続くとともに、EC需要の増加を背景として成長し続ける見込みである。加えて、クラウド型サービスが増えたことによって参入障壁が下がり、小規模のEC事業者が引き続き増加していることも要因としてあげられる。
このような状況から、市場は今後も引き続き成長し、2021年度の国内ECサイト構築支援サービス市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比105.4%の1,770億円、2024年度には2,005億円にまで拡大すると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2021年2月~5月 2.調査対象: ECサイト構築支援サービス提供事業者等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(Web取材含)、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用 |
<ECサイト構築支援サービス市場とは> ECサイト構築支援サービスは、 EC(Electronic Commerce)サイトの事業計画からシステム企画、設計、開発、運用などまでEC事業に関わる一連のサービスである。 本調査におけるECサイト構築支援サービス市場とは、パッケージ型、クラウド型(SaaS、ASP等)、スクラッチ型のサービスを対象として、サービス提供事業者の売上高ベースで算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> パッケージ型サービス、クラウド型サービス、スクラッチ型サービス |
出典資料について
資料名 | 2021 日・中・韓におけるEC市場の最新動向とECサイト構築支援サービス市場の実態調査 |
発刊日 | 2021年05月31日 |
体裁 | A4 270ページ |
定価 | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
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