【連載#1】「ハッピーカーズ」の企業文化と新しいフランチャイズのカタチ〜「稼ぎ方の選択肢」が求められる時代〜
(画像=Oleksandr/stock.adobe.com)

「働き方改革」が政府から発信されるようになってから約3年が経過しようとしています。コロナウイルスの感染拡大によって、多くの方が在宅ワークやリモート会議の導入を経験し、会社・家族とのかかわり合いについて改めて考えさせられる機会となりました。

そのような中で、広告大手の電通は2021年1月より応募条件を満たした希望者について業務委託契約を締結することで、個人事業主として仕事を請け負うことを容認する施策を打ち出し、企業経営者および大企業で働く従業員に大きなインパクトを与えました。

「体のいいリストラ」などと揶揄するネット上の書き込みも見受けられます。しかし、希望者の多くはエース級の社員だったというところに、「時代が求める働き方とは何か」という問いに対する答えが、少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

新佛 千治氏
新佛 千治 (しんぶつ ちはる)
株式会社ハッピーカーズ 代表取締役
営業職としてメーカーに入社。全国トップクラスの営業成績を出すが、自分の可能性をもっと広げてみたいと思い、退社。大波に乗ることを目指してハワイへ。帰国後、新たにデザインの勉強をはじめ、広告業界に飛び込む。まずは、出版社にデザイナーとして入社し、後に、大手情報サービス会社で広告制作ディレクター、コピーライターとして実績を積み、2005年にはクリエイティブディレクターとして広告制作会社を立ち上げる。そして、外部要因に左右される経営環境を変えたく、もうひとつ事業の柱をつくろうと中古車の輸出ビジネスに目をつける。海外への販売ルートの開拓を考え、中古車の輸出先となるアフリカのタンザニアに現地法人を立ち上げる。しかし、治安の問題もあり短期間で撤退を決断し、中古車輸出業から手を引く。その際の経験を活かし、日本国内において一般のお客様から中古車を仕入れて、オークションに出すクルマ買取り業者、株式会社ハッピーカーズが誕生。2015年の事業立ち上げから、わずか4年で全国に50以上の加盟店を展開する規模へと成長する。
▪ハッピーカーズHP:https://happycars.jp/company/

私の経営する「ハッピーカーズ」は、車の買取を専門に行う会社です。

今までにない、独自のフランチャイズ手法が市場に認められ、加盟店を一気に増加することができました。コロナ禍の中でも増加のスピードはとどまらず、全国100店舗に迫る勢いです。CMも数々のメディアで取り上げられ、嬉しい限りです。

【ハッピーカーズTVCM「轟け、車愛。」編】

本連載では、「ハッピーカーズ」の新しいフランチャイズ経営を紹介します。これからの時流に合った働き方とはどのようなものか、企業組織の未来形を提案したいと思います。

わがまま人生を精一杯満喫したい!

「誰にも指図されない人生にしようって思ったんですよ。」

これは、ある打ち合わせ後の懇談会でつい口をついて出た一言です。
私は以前、広告のクリエイティブディレクターとして独立し仕事を始めたのですが、自分以外の誰かに報酬を決められるのがすごく嫌でした。誰にも縛られずに自分の思うように稼ぎながら、世の中に自分ならではの価値を提供していきたい。そんな思いから当時はいろいろなビジネスを模索していました。

スピード感のあるビジネスであればプライベートも充実する

誰にも縛られないというのは、時間にも場所にも人にも縛られないということなのです。
つまり、仕事も人生の一部として楽しむことにより、プライベートもより充実すると考えました。そのためには、効率の良いビジネスモデル、シンプルで高単価のビジネスが良いと考えました。仕事は何よりもスピードを重視しています。

そもそも私は、日々サーフィンに明け暮れています。人生の優先順位的にはサーフィンに始まって、犬の散歩に家事・育児、友人やビジネスパートナーとの食事も楽しみたい。

そう考えると、物理的に働く時間というのは、一日の中ではほんのわずかになってしまいますよね。

であれば、仕事の時間とプライベートと区別するのではなく、一日の中でシームレスに仕事時間を取り入れることで、より効率的に一日を楽しめることに気がつきました。そのためには、商談は手間をかけずにシンプルにスピーディーに行うことができ、お客様にも自分にとっても気持ちのよい取引をすることができるビジネスにする必要があります。