矢野経済研究所
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2020年度のペット関連総市場規模は前年度比3.4%増の1兆6,242億円と伸長の見込

~ペットと過ごす時間増によるケア用品やコミュニケーションツールが好調~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のペットビジネス市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業別動向、将来展望を明らかにした。

ペット関連総市場規模推移と予測

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1.市場概況

2019年度のペット関連総市場規模は、小売金額(末端金額)ベースで前年度比101.7%の1兆5,705億円と推計した。参入各社による高付加価値商品や猫向け商品の投入、 また、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、ペットシーツや猫砂などの消耗品を中心に家庭内在庫確保の需要が拡大したことにより、微増となった。

2020年度は新型コロナ禍で在宅時間が長くなり、ペットと過ごす時間が増えたことによる飼育者需要が拡大したことなどから、ペット関連総市場規模は小売金額(末端金額)ベースで前年度比103.4%の1兆6,242億円を見込む。

2.注目トピック

新しい生活様式でペット用品を中心に需要喚起

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新しい生活様式となるなか、ペット用品を中心とした飼育者需要が市場伸長の要因になっている。ペットシーツや猫砂などの消耗品を中心に家庭内在庫確保の需要が拡大したことに加え、新規飼育者需要やペットと過ごす時間が増えたことによるペットのケア関連用品需要拡大が挙げられる。

ペットを新規に飼い始めた時に必要となる、首輪や食器、ハウス、ケージといった用品分野の需要は新規飼育者を中心に伸長した。 また、在宅時間が増えたことで、ペットのケアに時間をかける飼育者が増加し、オーラルケア、ブラシ、タオル、耳掃除、セルフトリミングなどのボディケアの商品分野が拡大した。 ペットとのコミュニケーションとして、おもちゃやスナック(おやつ)分野も好調であった。 そのほか、掃除関連用品やウェットティッシュ、消臭剤など、ペットを衛生的にケアしたり、生活環境を改善したりする商品が伸長した。

3.将来展望

現下、外出自粛による新しい生活様式の広がるなか、ペット用品を中心とした飼育者需要は今後も継続するとみる。

また、ペットフード分野において、年々飼育者のプレミアム(高付加価値商品)指向が強まる傾向が見られる。この背景には外出自粛で旅行や外食への支出が減少したことで、ペットにより良いフードを与えたいと考える飼育者の存在があるものと考える。

こうしたことから、ペット関連総市場全体は、2020年度以降も拡大傾向を予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2020年11月~2021年1月
2.調査対象: ペットフードメーカー、ペット用品メーカー、卸売業者、小売業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<ペット関連総市場とは>
本調査におけるペットとは、犬や猫を中心にペットショップ等にて販売されるペットを対象とし、ペット関連総市場とは、主にペットフード、ペット用品、生体、その他ペット関連サービス産業に大別される。なお、その他ペット関連サービスには、ペット保険、介護ケアサービス、ペット医療、ペット葬送などのサービスが含まれる。
<市場に含まれる商品・サービス>
ペットフード、ペット用品(犬用トイレシーツ、猫砂、ペット用おむつ、シャンプー・リンス類、消臭剤・脱臭剤他)、ペット関連サービス(ペット保険、介護ケアサービス、ペット医療、ペット葬送他)

出典資料について

資料名2021年版 ペットビジネスマーケティング総覧
発刊日2021年01月29日
体裁A4 329ページ
定価140,000円(税別)

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