矢野経済研究所
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病院のOperation Room数が微増にとどまる中で、治療機器の買い替え需要が徐々に増加に転じる

~2020年度は新型コロナウイルスの影響で一部機器で需要拡大も、手術件数減少や購入延期などME機器(治療機器)市場全体では成長を抑制と予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のME機器(治療機器)市場を調査し、市場の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

2014年度出荷台数を100とした場合の各年指数推移(全身麻酔器、ベンチレータ、電気メス、手術用顕微鏡、Operation Roomで使用されるHigh end製品のみ)

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1.調査結果概要

本調査では、病院や一般診療所等で使用されるME(Medical Engineering)機器のうち、32項目(54区分)の治療機器を対象としている。
病院や一般診療所等で使用される治療機器のうち、大規模施設を中心にOperation Room(手術室)で使用される全身麻酔器、ベンチレータ、電気メス、手術用顕微鏡のHigh end製品の出荷台数推移を推計した。2014年度以降、大規模病院施設の建替え需要が一巡して手術室の増室も少なくなり、増税後の反動や病院収支悪化等による病院予算の縮小などの影響から、当該High end機種の出荷台数も低調推移が続いてきた。

2019年度は、年度の当初は拡大の様相はなかったが、消費増税が実施される10月前の2019年7月頃から引き合いが増え始め、結局、買い替えを目的とした駆け込み需要が底上げの要因となった。2020年度も買い替え需要は継続しており、復調推移を予測する。
しかし一方で、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大により、手術件数の激減、患者数の減少、医療機器購入の延期などの影響が出ており、ME機器(治療機器)市場全体のプラス成長を抑制する形となる見通しである。

2.注目トピック

2014年度を基準とした場合、High endの一部製品に復活の兆し

実際に、High end機種の2014年度出荷台数を100として指数比較すると、2009年度が92.7、2010年度96.4、2011年度100.5、2012年度105.2、2013年度108.8と増加傾向にあったものの、その後、2015年度90.2、2016年度92.2、2017年度92.3と停滞し、2018年度106.2、2019年度は102.7、2020年度予測が107.7と復調の兆しをみせている。その要因として、Operation Room数が微増にとどまる中で、買い替え需要が徐々に増加していることが考えられる。

調査要綱

1.調査期間: 2020年4月~10月
2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(Web含)、電話による取材調査、ならびにアンケート調査併用
<ME機器(治療機器)市場とは>
本調査におけるME(Medical Engineering)機器市場とは病院や一般診療所等で使用される治療機器、Operation Roomに設置される全身麻酔器、電気メス、各種レーザー・ジェネレーター、各科特有の専用治療装置、Endoscopy Roomの内視鏡下(腹腔鏡下・胸腔鏡下)外科製品、集中治療室や病棟の人工呼吸器、放射線科・各科予算で購入される放射線治療装置、処置室やクリニック等に設置される小型治療機器、各科専用治療装置等32項目(54区分)を対象とした。
<市場に含まれる商品・サービス>
内視鏡下外科(腹腔鏡・胸腔鏡他)手術製品、ベンチレータ、全身麻酔器、除細動器・デフィブリレータ、電気メス、超音波凝固切開装置・超音波吸引装置、Nd:YAG・Ho:YAG・KTP/YAG・KTP/Tm:YAG、CO2レーザー、高出力半導体レーザー手術装置、PDT、レーザー心筋血管新生術/心筋血行再建術 TMR・PTMR、(疼痛緩和)半導体レーザー治療器、(直線偏光)近赤外線・赤外線治療装置、あざとり・美顔用レーザー装置、美容整形外科関連製品、(経尿道的)結石破砕装置(TUL)他、BPH治療製品、ESWL、ハイパーサーミア(温熱療法加温装置)、IABP装置、自己血回収装置・回収式自己血輸血装置、コンティニアス・パッシブ・モーション、タニケットシステム、骨電気刺激装置/超音波骨折治療器、低周波治療器、パワーインスツルメンツ、ガンマナイフ、定位脳手術装置、定位・高精度放射線治療システム、手術室用顕微鏡システム・ナビゲーションシステム、ネブライザー、滅菌コンテナーシステム、鋼製手術器具・器械

出典資料について

資料名2020年版 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(治療機器編)
発刊日2020年11月09日
体裁A4 695ページ
定価120,000円(税別)

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