矢野経済研究所
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2019年度のME機器(診断機器)市場は、消費税増税前の駆け込み需要等により前年度比5.0%増の3,415億円

~2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、多くの病院で予算執行の延期が相次ぎ、装置更新が停滞する見込~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のME機器(診断機器)市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ME機器(診断機器)市場規模推移・予測

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1.市場概況

 本調査では、病院や一般診療所、健診センター等で使用されるME(Medical Engineering)機器のうち、32項目(38製品・57分類)の診断機器を対象としている。2019年度の市場は画像診断装置を中心に消費増税前の駆け込み需要等によりプラスとなったものの、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で一部需要が拡大している製品群を除き厳しい状況が続いている。
2019年度のME機器(診断機器)市場規模は、消費増税前の駆け込み需要から高額な画像診断装置や生体情報モニタ(High end製品)が好調であったことで、前年度比5.0%増の3,414億64百万円と推計した。

2.注目トピック

医用X線CT装置の市場動向

 X線CT装置市場は2012年度に500億円を越えたものの、2013年度以降は右下がりの推移が続いている。2019年度同市場規模は10月の消費増税前の駆け込み需要が上期にあり、下期にその反動はあったものの、前年度より52台増の1,166台となった。販売額では、64列以上のHigh end製品が台数と比例した安定した伸びとなり、362億20百万円になっている。

2020年度は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの病院の経営を逼迫する状況となっている。このような状況の中で、2020年度のX線CT装置市場は前年度より94台減の1,072台、販売額は333億40百万円になると予測する。

3.将来展望

 2020年度に関しては、新型コロナウイルス感染症の拡大から院内感染防止の為、4~6月にかけて病院訪問営業が自粛となり、一方、病院側においては深刻な経営悪化から予算執行の停止や延期が相次いでいることから装置更新の停滞が発生している。コロナ禍においても一部需要が拡大している製品群もあるが、大半の製品では実績がマイナスの見込みとなる厳しい状況が続いている。
こうした状況を鑑み、2020年度のME機器(診断機器)市場規模を前年度比5.7%減の3,218億66百万円になると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2020年4月~9月
2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売業:販売元
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(Web含)、電話による取材調査、ならびにアンケート調査併用
<ME機器(診断機器)市場とは>
 本調査におけるME(Medical Engineering)機器市場とは病院や一般診療所、健診センター等で使用される診断機器、CTやMRI、各種X線撮影装置、超音波診断装置に代表される画像診断装置や、生体情報モニタや心電計等に代表される生体計測機器、内視鏡システム(外科系含む)、各科特有の製品等、32項目(38製品・57分類)を対象とした。
<市場に含まれる商品・サービス>
心電計、生体情報モニタ、ポリグラフシステム、EEG・EMG、内視鏡、ハンディタイプ内視鏡、極細径内視鏡・細径内視鏡システム、超音波画像診断装置、IVUS・ICUS・ICE、医用X線CT装置、MRI、血管撮影X線装置/循環器X線撮影装置、外科用X線テレビ装置/回診用(移動型)X線装置、PET、脳磁計、骨密度測定装置、イメージャー/プリンター、自動現像機、サーマルビデオプリンター、CR・DR・FPD、FFR、(連続)心拍出量装置・CCO・連続モニタリングシステム、パルスオキシメータ、赤外線酸素飽和度モニタ、経皮血液ガス分圧測定装置、血流計、麻酔ガスモニタ、非観血式自動血圧計、(医科向)電子体温計、深部体温測定装置、ウロダイナミクス・ウロフロメータ、聴診器

出典資料について

資料名2020年版 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア(診断機器編)
発刊日2020年09月30日
体裁A4 574ページ
定価120,000円(税別)

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