おうち仕事術 テレワークを最適化する50のテクニック
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

(本記事は、戸田 覚氏の著書『おうち仕事術 テレワークを最適化する50のテクニック』=翔泳社、2020年10月19日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

どうやっておうちで仕事のモチベーションを保つか?

僕は、30年以上在宅で仕事をしてきました。また、僕の経営する会社でも、数名のメンバーが在宅で仕事をしています。

僕の会社では、在宅と出勤を選べますが、ほぼすべてのメンバーが在宅で仕事をしたがります。通勤がないために楽だからです。仕事の内容は原稿の執筆と編集なので、自宅でも問題なく作業ができます。

ところが、多くのメンバーがモチベーションの維持や自己管理に苦労をしています。これまでの経験では、さほど苦労せずに在宅で仕事ができる人は、1〜2割です。残りの8〜9割は何らかの形で、出勤していたときよりも効率が落ちています。

自宅作業のためにダラダラと働いてしまい、結局長い時間を費やしたり、締め切りに間に合わなくなる人もいます。

ここでは、おうちで仕事をする際にも、モチベーションや効率の維持、アップする方法を紹介していきます。

時間ではなく量を把握する

基本的には、働く時間を考えると、うまくいきません。会社では多少サボっていても、出勤していれば給料が出ます。在宅勤務でも、パソコンの前にいれば出勤しているとみなされる会社もあります。しかし、結局のところ、上司や会社は、作業量やクオリティを判断して成果を見ていきます。

これが会社にいるときとの最大の違いです。つまり、あなたが必死に働いていても、鼻歌交じりで作業をしていても、上司にはそれが伝わりません。伝わるのは成果物や商談の成果など、すべて最終的な結果でしかありません。

8時間パソコンの前にいるのが約束でも、結果として大した成果が生まれなければ、評価はだだ下がりになるでしょう。

まず自分が何をするかを明確に決めます。

たとえば、「今日は企画書を2通作ろう」などと、目標を朝一番で決めましょう。もちろん、週単位で作業を割り振ってもかまいません。とにかく作業をスタートする朝の時点で、やるべきことを把握するのです。ここで重要なのは、「明日でもいいや」と思わないことです。実際には、翌日作業してもかまわないケースもあるでしょう。

ところが、先送りにすると、いいことは1つもありません。急ぎの仕事が入ってくると対応しきれなくなります。また、自分が考えていた目算よりも作業時間が長くなったり、いざ着手してみたら資料が足りない──といったことも起こります。まず、着手できるものは全力を挙げて今すぐに取り掛かります。のんびりしようと考えないのが、自宅で仕事をする最大のポイントです。この考え方によって、僕は、30年以上に及ぶ在宅勤務において締め切りに遅れたことがありません。

作業の順番を考える

たとえば、次のような3つの作業を今日するとしましょう。

  • 交通費の精算
  • 企画書の作成
  • 予算関連の書類を清書する

あなたは、どんな順番で取り掛かりますか。これも朝の時点で決めてしまいましょう。僕なら、企画書、予算書類の清書、交通費の精算の順で取り掛かります。まず、最も頭を使い、創造が求められる作業は、なるべく朝早く行うのです。朝は、頭が疲れていませんし、トラブルが起こる確率も少なくなります。就業時間が規定されていないなら、僕なら7時頃から作業に取り掛かり、途中で長い昼休みを入れるか、仕事を早く終わるようにします。

続いて、少し頭を使いそうな清書を済ませ、最後に交通費の精算をします。交通費の精算は単純作業なので、時間が掛かるとしても頭を悩ませることはないでしょう。

作業中に休憩したくなったら、僕はメールやビジネスチャットのチェックをします。すぐに返事を返せるものは返信します。このように今までやっていた作業と違うことをすれば、気分転換になります。

3つの作業を17時に終わらせればよいとしても、僕は16時を目指します。少しでも早く終わらせて、自由な時間を作ります。その時間は、会社で許されるなら、散歩に使ってもよいでしょう。

仕事をするとしても、自分の好きなことに割り当てられます。新しいことの勉強などに費やしてもいいでしょう。「17時までに終わらせればいいや」と考えるとモチベーションは上がりません。「1時間でも早く終わらせて、好きなことをしよう」と考えると、やる気もアップします。

オンとオフを明確にするスケジュールも完璧に管理を

ヘッドホンをしながら作業をしていて、仕事をしている時間なのか、音楽を聴いているのかわからなくなっている人がいます。音楽を聴きながら作業することを否定するつもりはありません。会社ではしづらかったことが、おうちではできるのが在宅勤務のいいところです。

テレビを見ながら書類を作っている人もいるかもしれません。どんなことをしていても、効率が上がっているならそれでいいのです。

しかし、仕事の時間なのか、自由時間なのかを明確にしなければ行き詰まります。おうちで仕事をするということは、会社にいたときよりも集中して作業する姿勢が求められると考えるべきです。なにしろ、上司はあなたを直接見てくれませんから、すべてにおいて自己管理が求められるのです。

仕事をすると決めたら、徹底的に夢中になって作業をしてください。SNSなどを見ていてはダメです。

家族が同居しているなら、時間を切って明確に「○時〜○時までは仕事なので話しかけないでほしい」と伝えるべきです。家族のためにもオンとオフは明確にしてください。

スケジュール管理を完璧に

会社にいれば、スケジュールも他のメンバーが管理してくれることがあります。「明日の会議の準備は大丈夫ですか?」「今日の商談昼ごろでしたっけ?」といった、何気ない会話で、自分がやるべきことを把握できることが少なくありません。

ところが、自宅で働いていると、スケジュール管理はすべて自分マターになります。責任を持って自己管理するしかありません。

そこでおすすめなのがGoogleカレンダーを利用した、スケジュール管理です。紙の手帳はおすすめしません。

おうち仕事術 テレワークを最適化する50のテクニック
戸田 覚
1963年東京生まれ。ビジネス書作家。デジタル関連製品に造詣が深く、ビジネス誌やパソコン誌で多数の連載を持つ。プレゼン、成功する仕事術、新商品開発といったテーマで執筆や講演、コンサルも手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

『おうち仕事術 テレワークを最適化する50のテクニック』
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