店舗を持たない中古車買取チェーン地域に根差し100店舗体制も視野/ハッピーカーズ新佛 千治社長
(画像=新佛 千治 社長(48))
新佛 千治
新佛 千治
しんぶつ・ちはる
メーカーの営業、デザイナー、広告制作ディレクター等を経て、2005年に広告制作会社を設立。その後手掛けた中古車輸出ビジネスでの経験を活かし、2015年に車買取の株式会社ハッピーカーズを設立。

コロナ禍にありながら、むしろその存在感を高めているのは、中古車買取FCのハッピーカーズ。「少ない資金で開業でき、リスクを抑えることができる。また顧客基盤もすぐに固められ、いつでも仕入れていつでも売れる流動性の高さがある。これが当社の強み」

こう話すのは、ハッピーカーズの新佛千治社長だ。同社のビジネスモデルは、車を売りたい人から買い取り、それをオークションなどを通じて販売する。売り手を探す方法としては、中古車査定サイト上での入札や自身の知人や友人からの紹介などがメーンとなる。

そしてその後、実際に査定が入ると現地に赴き、現金で買い取り。その後自分で運転、もしくは陸送を外注するなどしてオークション会場へ出品し、売却する。オークション会社が車のチェックもしてくれた上で引き取ってくれるので、クレームや売れ残りのリスクも発生しない。

同社の中古車買取は店舗を設けず、自宅でも開業が可能。同業界では一般的に店舗を設けて営業するケースが、「固定費や人件費が負担になる」(新佛社長)というように、リスクにもなる。

その点、ハッピーカーズは利益こそ薄利だが、フレキシブルに動ける点を重視。個人一人で開業しても十分な売上と利益を確保できるモデルにしている。

店舗を持たない中古車買取チェーン地域に根差し100店舗体制も視野/ハッピーカーズ新佛 千治社長
(画像=▲査定と買取決済のスピーディーさ が人気)

具体的には、その立地戦略と集客方法だ。同社の加盟店が商圏とするのは、拠点の半径500m圏内で人口5万人のエリア。しかも業界ではロードサイドに店舗を構えることが主流だったのに対して、同社は田舎るが、「すぐに査定に赴いてくれる点を消費者が求めている」(新佛社長)という点にある。

実際、同社の場合はオーナー自らが査定に赴き、その場で買取の決裁まで行ってしまうため、後日見積もりなどを提示する大手企業とはスピード感が異なる。また買取金額の支払いも通常は10日後が一般的と言われているが、同社の場合は即日支払い。

こうした点が消費者にも喜ばれ、結果的に大々的なチラシや広告を打たなくとも、口コミで評判となるため、狭小商圏でもビジネスが成り立っているのだ。

「店舗型の場合、エリアテリトリーの問題がありますが、当社は個人のネットワークで仕事を獲得していく形態なので、加盟店同士が隣接していても影響は少ない。ディーラーや中古車販売店では手の届かない、地域密着でのひと手間が当社の強みです」

ほかにも同社では、月に一度のペースで定期開催している加盟予定者向け研修会に、既存加盟店が参加することも許可している。こうしたサポートを通じて加盟店とのコミュニケーションも円滑に行うことで、FC退会者が少ない点も特徴だ。