〈中国も5カ月ぶりの減、中欧・北欧は伸長〉

令和2年7月の冷凍果実輸入量は2カ月ぶり前年割れ、主要品目で増加は無加糖ベリー
(画像=令和2年7月冷凍果実輸入高/財務省)

財務省がこのほど発表した2020年7月の冷凍果実輸入高は、数量ベースで7,641t、2019年比6.4%減と2カ月ぶりに再び前年比マイナスとなった。1~2割減の品目が目立つなか、無加糖ベリーの好調が際立っている。中国からの輸入量は合計で24.3%減と5カ月ぶりのマイナスとなった。

品目別に見ると、最大品目である無加糖ストロベリーは1.0%減。2カ月連続で前年を下回った。そのうち中国は6.1%減、前年大幅増(59.0%増)の反動もあり前年を下回った。エジプトは133.6%増と5カ月ぶりに前年比プラスとなった。モロッコは25.3%減と前月大幅増(35.0%増)からマイナスに転じた。チリは28.8%増と前月半減からプラスに転じた。

加糖ストロベリーは21.5%減と2カ月ぶりのマイナスとなった。前年大幅増(105.7%増)の反動影響が大きい。そのうち中国は30.9%減とマイナスに転じた。

無加糖ベリーは20.7%増と3カ月連続でプラスとなった。トップシェアのカナダは9.8%増と2カ月連続のプラス。米国も19.5%増と3カ月ぶりの前年比プラスに転じた。チリも34.8%増と3カ月連続の大幅増となった。これら既存の主要国のほか、ラトビアが1~7月累計で625t(前年比25倍)、ポーランドは当月21.5t(同14.3倍)と躍進している。

無加糖パパイヤ・マンゴーは29.1%減と5カ月連続で大幅なマイナスが続いている。トップシェアのペルーが53.9%減と5カ月連続のマイナス。一方、ベトナムは3.8%増と3カ月連続の前年比プラス。タイも9.5%増で3カ月連続前年を上回った。無加糖ラズベリーは14.6%減と2カ月ぶりに再びマイナスに転じた。チリは64.6%増と2カ月大幅増となったが、セルビアが63.6%減と前月(前年比2.2倍)の大幅増から再びマイナスに転じた。

無加糖パイナップルは27.0%減と5カ月連続マイナスとなった。コスタリカが41.4%減と前月(前年比2倍)の大幅増から再び大幅減に転じた。ベトナムも44.8%減と低調。

無加糖「その他」は15.4%増と伸長した。そのうちイタリアは44.9%減とマイナスに転じたが、チリが62.2%増とプラスに転じ、スペインが43.3%増と3カ月連続で増加基調となった。トルコは1~7月累計で前年比3倍と着実に実績を積み上げている。南アフリカ共和国も当月は前年比2.7倍と伸長した。

〈冷食日報2020年9月8日付〉