矢野経済研究所
(画像=Chaosamran_Studio/stock.adobe.com)

2024年の住宅リフォーム市場規模は7.3兆円と推計、2025年も7.3兆円を予測

~2025年も資材費・人件費高騰の影響でリフォーム工事単価が上昇、市場規模はほぼ横ばいの見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内住宅リフォーム市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

住宅リフォーム市場規模推移と予測

住宅リフォーム市場規模推移と予測
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2024年の住宅リフォーム市場規模は前年比0.5%減の7兆3,470億円と推計した。分野別にみると、「増改築に関わる費用」(10㎡超+10㎡以下増改築工事)が前年比3.5%減、「設備修繕・維持関連費用」が同0.4%増、「家具・インテリア費用」が同5.6%減となった。

2024年のリフォーム需要は、物価上昇等の影響によりリフォームマインドが低下したことなどから、工事件数が減少傾向に推移した。一方、建築資材費や人件費などリフォーム工事原価の上昇や、省エネやグリーン住宅など政府の補助事業を契機にリフォーム工事内容を拡充する動きがみられたことなどから、1件当たりのリフォーム工事単価が上昇したと考える。リフォーム需要の減少分を単価の上昇で補ったことで、2024年の住宅リフォーム市場規模は前年比微減で着地したと推察する。

2.注目トピック

M&Aが活発化

近年、住宅リフォーム業界でのM&Aが活発化している。その背景には、中小工務店やリフォーム事業者において、経営者の高齢化や後継者不在が課題になっていることが挙げられる。また、売上拡大に向けて新規ターゲットとなる顧客やエリアの開拓を目指す中、よりスピード感をもって新規開拓を進めるためにM&Aを実施する動きもある。
さらに、住宅リフォーム業界全体として、社内人材や協力会社、施工技能員の不足、建築資材や人件費等の事業コストの上昇など様々な課題が浮き彫りになっており、今後はそれらの解決方法の一つとして、M&Aによる事業再編が加速すると考える。

3.将来展望

2025年の住宅リフォーム市場規模は前年比0.7%減の7.3兆円になると予測する。

前年に続き、2025年も物価高等の影響により工事件数は減少するものの、その影響は軽微でリフォーム工事単価の上昇により住宅リフォーム需要の減少幅をカバーする見込みで、住宅リフォーム市場規模は横ばいから微減傾向で推移する見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2025年4月~6月
2.調査対象: 住宅リフォーム関連事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材、一部書面および電話による補足調査及び文献調査併用
<住宅リフォーム市場とは>
本調査では、国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに、当社にて住宅リフォーム市場規模を予測する。

本調査における住宅リフォーム市場とは、住宅に対する居住者の費用負担で行うリフォーム(増改築、設備修繕・維持など)市場と定義する。したがって、オーナー(所有者)の費用によってリフォームが行われる賃貸住宅や社宅及びオフィス等の非住宅分野、修繕積立金によってリフォームが行われるマンション大規模修繕工事等は住宅リフォーム市場に含まない。
また、本調査における住宅リフォーム市場とは、「10㎡超の増改築工事」・「10㎡以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連費用」・「家具・インテリア費用」の4分野をさす。

<市場に含まれる商品・サービス>
「10㎡超の増改築工事」・「10㎡以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連費用」・「家具・インテリア費用」

出典資料について

資料名2025年版 住宅リフォーム市場の展望と戦略
発刊日2025年06月27日
体裁A4 511ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2025 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。