組織
(画像=nd3000/Shutterstock.com)
中村 太郎
久能 克也(くのう・かつや)
Opty.G.K.代表。「社長が自分で自分をクビにできる」メソッドを伝える。2002年東京外国語大学を卒業後、大手人材会社に入社し3,000人の組織にてマーケティング業務を経験。退社後単身中国上海に渡り、コンサルティング会社を起業し共同経営者に就任した。帰国後、自社や顧問先の経営を劇的に変えたEOS®(Entrepreneurial Operating System/起業家のための経営システム)の普及活動に従事している。10年後のビジョン達成のために「今」すべきことだけに集中し、経営者の負担を軽くしながら業績アップさせるコンサルティングが得意。座右の銘はLess Is More。

7万社が導入して効果実証済み

「会議」「ミーティング」について語られた本やWEB記事などは多く目にします。あなたも一度は手に取ってみたことがあるかも知れません。ただ、それらの本の多くは「自分はこうやったらうまくいった!」とか「ウチの会社では」というサンプル数が極端に少ない方法かもしれません。

しかし、この記事で紹介するのは実際に7万社以上が試して効果を実感している、「実証済み」の会議ノウハウです。実践の中で磨き上げられてきたものです。個人とチームの生産性が劇的に改善します。それが積み上がって会社全体の業績も向上することでしょう。

10点満点ミーティングは会議の3つ不満を一気に解消

その会議の名前は「10点満点ミーティング(Level 10 Meeting®)」。
米国では当たり前になりつつある「経営のOS(EOS®(Entrepreneurial Operating System/起業家のためのオペレーティング・システム。以下EOS®)が提唱するミーティングです。

10点満点ミーティングの導入は、ちょうど「出社しないと仕事はできない」と思い込んでいたところリモートワークを導入したら、むしろ生産性が上がった!という現象と近いかも知れません。10点満点ミーティングも最初は戸惑うケースが多いですが慣れるともう今までのやり方には戻れません。

会議の3大不満とは1長い 2多い 3予定調整が難しいです。
これは、アイティメディアの2017年の調査(※)であるビジネスパーソンが感じる「会議についての課題」でも明らかになっています。

会議の不満
「会議が長い」(69.1%)
「会議が多い」(54.5%)
「参加者のスケジュール調整が難しい」(50.1%)
「会議前に資料共有できてない」(45.5%)

※:https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1707/03/news01.html

これら不満が10点満点ミーティングを導入するとすべて解消されます。

延長ナシ・スケジュール調整ナシ・資料作成ナシ

なぜなら、10点満点ミーティングには次の「5つの原則」があるからです。

  1. 同じ曜日
  2. 同じ時間
  3. 同じアジェンダ(議題)
  4. 時間通りに始める
  5. 時間通りに終わる

同じ曜日の同じ時間に始まり、終わるのでスケジュール調整はいりません。逆にいうと多くの会社ではこの原則を守れないから、スケジュール調整という価値の低い仕事に膨大な時間をとられているのです。会議時間は毎回90分と決まっています。

10点満点ミーティングのアジェンダ(議題)

ではいよいよ10点満点ミーティングの内容に入ります。アジェンダは毎回同じ。各項目の説明や意図も書き添えます。

  1. 頭の切り替え(Good & New):5分
    日常業務モードから会議モードになる
  2. スコアカード(KPI進捗)の確認:5分
    KPI進捗を毎週確認。進捗未達事項は「課題リスト」へ
  3. 四半期の重要課題の進捗確認:5分
    担当者が進捗状況を自己申告。未達は「課題リスト」へ
  4. 顧客・従業員のニュース共有:5分
    顧客とスタッフを自分だけで抱え込まないために
  5. ToDoリストの確認:5分
    前回のミーティングで決めたToDoの進捗。済んでないものは「課題リスト」へ
  6. 課題解決:60分
    「課題リスト」から3つの優先課題を選び出し、全員で60分かけて課題を葬り去る
  7. ミーティングの終了:5分
    ToDoリスト再確認、伝達事項、ミーティングの評価(1-10)

6の課題解決に60分もの時間が割り振られていることに気づかれたでしょうか?なぜなら会議のいちばん重要な目的とは情報共有でも結果伝達でもなく、「課題の解決」「意思決定」だからです。そのため、1~5、7の「情報共有」「結果伝達」にあたる部分はリズムよく5分でこなしていくのです。

毎回の会議に「点数」をつけて評価

「10点満点ミーティング」という変わった名前の由来は、「毎回のミーティングの出来・不出来に参加者全員で点数をつける」ことからきています。

アジェンダの7「ミーティングの終了」の中の「ミーティングの評価(1-10)」がそれに当たります。ファシリテーター(司会者)が順番に「Aさん、何点でしたか」「Bさん、何点ですか」と聞いていき、書記役が記録していきます。

重要なのは「自分の会議におけるパフォーマンス」ではなく、「会議そのものが何点の出来だったか」を評価するという点です。「5つの原則」を守ることができたか、アジェンダ通りに進められたか、課題解決の質は十分だったか、などを総合的に勘案し、点数をつけます。10点なら完璧、1点が最低です。8点以上で「合格」とします。

これにより会議を繰り返すごとに質の向上し、参加者全員が「オーナーシップ(当事者意識)」を持って会議に参加するようになります。

最初は3点・4点からスタートでOK

ここまで読んだあなたはお気づきでしょうが、「スコアカード」「四半期の最重要タスク」「ToDoリスト」「課題リスト」という聞き慣れないツール。これらを運用していないと10点満点ミーティングは「10点満点」にはなりません。文字数の関係で詳しく説明はできませんが、御社で使っている既存のツールでも代用はできます。たとえば「スコアカード」はKPI管理表で代替できます。

ぜひ、真似できるところから始めてみてください。私たちが推進するEOS®は完璧主義ではありません。最初から10点など目指さず、多くのクライアントは3点、4点からスタートしますし、むしろそれを推奨しています。

EOS®が提供する「10点満点ミーティング」のやり方を分かりやすく表現した動画があります。日本語字幕をつけましたので参考にご覧ください。また「10点満点ミーティング」のアジェンダはこちらで無料で提供しています。ぜひ御社でもやってみてください。

▼動画はこちら
https://youtu.be/3LqT-LDBWgY

文・久能克也(Opty.G.K.代表)