教職員の働き方改革を支援する学校向けサービスは拡大基調

~部活動の地域展開等が市場成長を牽引する見込み~

株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区、代表取締役社長:水越孝)は、学校現場における喫緊の課題である「教職員の働き方改革」に焦点を当て、教職員の業務負荷軽減に貢献する学校向けサービス市場について調査を実施し、一部の分析結果を公表する。

1.調査結果概要

長時間労働や多様な業務負担が深刻化している学校現場において、教職員が本来の教育活動に注力できる環境整備が急務となっている。その解決策の一つとして、従来からの清掃や給食調理、事務作業などに加え、専門性の高い業務を外部に委託するアウトソーシングサービスの導入が拡大傾向にある。

なかでも、今後の市場を大きく左右する可能性が高いのは、部活動支援業務アウトソーシングである。これは学校における部活動運営に関連する業務の一部、または全部を外部の事業者に委託するサービスであり、文部科学省の進める、主に公立中学校における部活動の地域展開等を対象としている。文部科学省の改革推進期間に伴い、実証事業など含めて外部への委託が増えている。こうしたことを背景に2024年度の部活動支援業務アウトソーシング市場規模は、前年度比130.8%を見込む。

2.注目トピック

改革推進期間を迎えている「部活動の地域展開等」に関するアウトソーシングサービス

文部科学省は教職員の負担軽減策の一環として、部活動の地域移行を推進している。2023年度から2025年度を改革推進期間、さらに2026年度から2031年度を改革実行期間と位置づけている。2025年5月にスポーツ庁と文化庁は、有識者会議「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」において決定された、部活動改革に向けた最終とりまとめについて発表した。本最終とりまとめは、2031年度までに、休日における原則全ての部活動の地域展開の実現を目指すことなどを柱としている※。

こうした動きに基づき、学校の部活動運営を地域団体や民間事業者に委託する動きが活発化することが想定される。指導者の確保、部活動の多様化といったメリットが期待されるとともに、受益者負担と公的負担のバランス等、費用負担の在り方などの課題もある。部活動の地域展開等については、教職員の負担軽減策の一環として取り組む必要があり、また国の推進もあることから、部活動支援業務アウトソーシング市場は今後大きく活性化するものとみる。

※出典:文部科学省・スポーツ庁・文化庁「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」最終とりまとめ(概要)令和7年5月

調査要綱

1.調査期間: 2024年4月~2025年3月
2.調査対象: 学校向けサービスを取り扱う有力・注目企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、アンケート調査ならびに文献調査併用
<学校向けサービスとは>
本調査における学校向けサービスとは、学校現場における喫緊の課題である教職員の働き方改革に寄与することを目的とする、教職員の業務負荷を軽減するサービスとしている。本調査においては、①部活動支援業務アウトソーシング市場、②PTA業務アウトソーシングサービス市場、③ALT(外国語指導助手)市場/学校向けオンライン英会話サービス市場、④幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑤学校法人業務アウトソーシング市場の主な5分野を対象とし、事業者売上高ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
部活動支援業務アウトソーシング市場、PTA業務アウトソーシングサービス市場、ALT(外国語指導助手)市場/学校向けオンライン英会話サービス市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、学校法人業務アウトソーシング市場

出典資料について

資料名2025年版 学校向けサービスの実態と展望
発刊日2025年03月28日
体裁A4 166ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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