【全国シェア8割】生活を支える多治見タイルの現代スタイル【岐阜エリア】
【全国シェア8割】生活を支える多治見タイルの現代スタイル【岐阜エリア】

「いい湯だ〜な♪」長風呂派の夏歩(かほ)です。

私は大きなお風呂が好きで、時々友人と銭湯へ行きます。そこで最初に目に入るのは大浴場の壁、富士山を模した大きなタイル画です。

絵の元となる小さなタイルはモザイクタイルと呼ばれているそうですが、皆さんはこのモザイクタイルが日本のどこで作られているかをご存じでしょうか?

実は岐阜県東濃地域がモザイクタイルの全国シェア8割を担っています!

そこで今回はモザイクタイルの誕生と今に迫ります。

「岐阜県多治見市の名産品」モザイクタイルの誕生

タイルの普及

私たちは家に入る時は靴を脱いで入りますよね。そのため外から水や土が持ち込まれる土間には耐久性が求められ、古くから石材など木材以外の素材が用いられていました。

鎌倉時代には屋根に使用する瓦を平らに加工して床に敷き詰めた敷瓦が使われるようになり、明治時代初期には西洋建築の暖炉周りや床に輸入タイルが使われるようになりました。

その後、輸入タイルを手本とした国産の陶製タイルが販売され、全国に流通。耐久性だけでなく装飾性も兼ね備えた床タイルは、今日もさまざまな形で住宅や公共空間を彩っています。

施釉(せゆう)磁器モザイクタイルの誕生 in 岐阜県多治見市

1935年(昭和10)年頃から岐阜県多治見市で施釉磁器モザイクタイルの生産が始まりました。 モザイクタイルとは表面積が50㎠以下(約7㎝四方)の小さいタイルのこと。

お手元で想像してみてください

多治見市には焼き物に適した土が豊富に存在しており、約1300年前から多種多様な焼き物が作られてきました。焼き物産業が発展し陶磁器の一大産地となったことでタイル業も発展したのです。

戦後の経済成長で人々の暮らしが豊かになり、デザイン性豊かなモザイクタイルが好まれるようになりました。

そこに有名画家の作品をモザイクタイルで表現するタイル画が登場。

タイルは汚れの有無が分かりやすく清掃すればすぐにキレイになります。そのため清潔さの象徴と言われ、水回りに使われるようになりました。

こうして銭湯には富士山などの風景画が描かれたのです。今もなお、銭湯でタイル画が見られることからタイルの耐久性が伺えますね。

モザイクタイルの今

海外で人気沸騰中

現在、多治見市では新規市場の開拓を行ったり、海外のデザイナーからオーダーを受け特注品を製造したりと、各企業が海外に対し積極的に新たな取り組みを行っています。

輸出額は増加傾向にあります。

地元企業による取り組み

たとえば岐阜県多治見市のタイルメーカー、株式会社X-is(エクシィズ)では産業廃棄物をタイルにリサイクルする事業を行っています!

リサイクルタイルと耳にすると「デザインの幅が狭い」「一般的なタイルより質感が劣るのでは?」と思われるかもしれません。

しかしタイルのラインラップや施工事例を見ると、独自の風合いや意匠性の高さに惚れぼれします。

サンプルの送付を無償で行っているそうです!ぜひご自身の眼でお確かめください。

【X-is ecorevo】ホームページ
URL: https://www.x-is.co.jp/brands/ecorevo

自転車で巡る多治見のまち 

焼き物のまち「多治見市」

多治見市は市内の至る所にタイルが使われており、タイルがこの地の人々に愛され生活に溶け込んでいる様子を見て取ることができます。

モザイクタイルミュージアムのある笠原町はもちろん、市内中央を流れる土岐川の堤防、多治見駅周辺にも大小さまざまなタイル作品があります。

そして多治見モザイクタイルミュージアムはモザイクタイルを専門にしたミュージアム。

地元の方々が有志で収集してきた1万点を超えるコレクションの中から、生活用品・見本台紙・製造機械などを見ることができます。

世界的建築家の藤森照信氏が手掛けた、タイルの原料を掘り出す「採土場」をイメージした外観にも注目です。

多治見モザイクタイルミュージアム
住所:岐阜県多治見市笠原町2082‐5
TEL:0572‐43‐5101
開館時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:月曜日 (休日の場合は翌平日)
料金:個人 500円 /  団体(20名以上) 400円
アクセス:
・多治見駅南口→東鉄バス笠原線
(「多治見駅前」2番バスのりばから『東草口行き』/ 『羽根行き』に乗車 「モザイクタイルミュージアム」降車)
・多治見ICから約25分 /  土岐南多治見ICから約15分 ※駐車場有
URL:https://www.mosaictile-museum.jp/

レンタルサイクルという新しい手段

市内の作品をじっくり見たい!そんな皆さんに紹介したいのがレンタルサイクルです。

TAJIMI RENTAL CYCLEでは自転車やプランを目的に応じて選ぶことができます。

オススメは随時開催されている工場見学ツアー。

自転車で多治見のまちへ繰り出し、モザイクタイルミュージアムを解説付きで回り、工場見学後はタイルを用いた小物製作を行うことができるのだとか!

TAJIMI RENTAL CYCLE
住所:岐阜県多治見市白山町1‐228
TEL:0572‐23‐2636
営業時間:8:00~18:30 (貸出は16:30まで)
定休日:なし

URL:https://trc.bikerentals.co.jp/rentalbike_pretop?lang=ja

終わりに

今回は日本におけるタイル普及の歴史と、独自の土を活かした施釉磁器モザイクタイルを紹介しました。

モザイクタイルの今を知ることで、昔ながらを活かしつつ昔に留まらない良さを感じることができたのではないでしょうか!

ご自宅やお出かけ先でタイルを見かけた際は、ぜひ岐阜県多治見市のことを思い出してくださいね。

参考

・産地データベース サンサク 産地×検索
https://www.mosaictile-museum.jp/db/
・タイルの歴史は「キレイ」の概念とともに~衛生陶器として日本に普及したタイルの話~
https://www.daiwahouse.co.jp/tryie/column/think/inax_museums/
・ぶらっと多治見タイル巡り
https://www.x-is.co.jp/blog/20211222-tajimi-tile-hopping
・TAJIMI RENTAL CYCLE
https://trc.bikerentals.co.jp/rentalbike_pretop?lang=ja
・MOSAIC TILE MUSEUM Tajim
https://www.mosaictile-museum.jp/
・≪貿易統計特集≫ タイルの輸出
https://www.customs.go.jp/nagoya/boueki/tokur0506.pdf
・リサイクルタイルについて
https://www.x-is.co.jp/blog/20220128-about-recycled-tile
・環境にもデザインにもこだわる!リサイクルタイルの表現力
https://www.x-is.co.jp/blog/20250401_recycle-tile-design