人材紹介大手ジェイ エイ シー リクルートメントの調査によると、管理職の転職理由は「年収を上げたい」が最多で、実際に転職した管理職の77.1%が転職後の状況に満足していることが分かった。

課長・マネジャー以上の管理職に「管理職に就いてから転職を検討したことがあるか」を聞いたところ、「検討したことがある」(49.8%)、「将来を見据え今後検討したい」(13.4%)で、転職理由は「年収を上げたい」(52.9%)が他の項目を20ポイント以上引き離して最多だった。
転職理由(複数回答、上位7項目)
年収を上げたい | 52.9% |
新たなチャレンジをしたい | 30.5% |
より裁量をもって働きたい | 24.2% |
業務内容を変えたい | 23.6% |
働き方を変えたい | 22.6% |
より専門性を高めたい | 20.0% |
忙しすぎる・残業を減らしたい | 19.9% |
<管理職の負担は増している>
・給与は上がらず負担増、中間管理職の苦悩
・在宅勤務でできる管理職とできない管理職が明らかに
転職を検討した管理職のうち実際に転職した人は44%で、転職後の仕事に対して「大変満足している」(25.9%)、「やや満足している」(51.2%)となっている。転職後に年収が上がった人は42.3%だった。
転職後の状況(複数回答、上位7項目)
年収が上がった | 42.3% |
裁量をもって働いている | 28.0% |
やりがいのある仕事ができている | 26.6% |
新しいことにチャレンジできている | 25.6% |
役職が上がった | 22.5% |
専門性を高められている | 19.5% |
残業を減らすことができた | 18.4% |
<転職者の年収は上昇傾向>
・転職時の平均初年度年収が過去最高、11万4000円増
・転職決定者の35.8%は「賃金が1割以上増加」
転職の際に利用したサービス(複数回答)は、「転職エージェント」(56.3%)、「スカウトサービス」(38.6%)、「転職メディア(求人サイト)」(34.5%)、「ヘッドハンティング」(22.2%)、「利用サービスはない」(9.6%)、「リファーラル(紹介)(9.6%)、「その他」(1.0%)。
最終的に転職が決まった時に利用していたサービスは、「転職エージェント」(49.1%)、「転職メディア(求人サイト)」(14.7%)、「スカウトサービス」(14.0%)、、「ヘッドハンティング」(10.9%)、「あてはまるものはない」(5.3%)、「リファーラル(紹介)(4.9%)だった。
<人材獲得の手法は多様化している>
・変革人材の争奪戦が過熱 失敗しない採用戦略とは
・大企業で外部人材の活用が増加、業務スピード・品質向上や生成AI導入を目指す
調査を行ったジェイ エイ シー リクルートメントの田崎ひろみ会長兼社長は、弊誌の企業の人材需要に関するアンケートに対して「当社の主要事業であるホワイトカラー職種の人材紹介では、構造的な労働力不足を背景に、年率10%以上の市場成長が続くものと見込まれている。その中でも、当社は安定して需要が高いミドル・ハイクラスを事業領域の中心として、市場成長を上回るサービスの拡大を目指している」と回答している。
・高度専門人材は争奪戦 採用力格差がさらに拡大【主要人材コンサルティング会社アンケート「2025年 人材需要と採用の課題」】
持続的な企業成長のために事業運営をけん引できる人材を求める企業は多く、年収アップを希望する管理職も多いため、人材獲得競争がさらに激しくなりそうだ。
「管理職の転職」に関する実態調査の詳細はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000007720.html
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