外壁材市場に関する調査を実施(2024年)
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2023年度の外壁材(7分野)市場規模は前年度比101.2%の3,629億円

~住宅・非住宅向け外壁材は共に苦境が続くも、価格改定や高付加価値化の浸透で前年度から増加~

株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の外壁材市場を調査し、市場規模、分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

外壁材(7分野計)市場規模推移・予測

矢野経済研究所
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1.市場概況

2023年度の外壁材市場規模[窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材(既調合モルタル)、外壁仕上塗材の7分野合計、メーカー出荷金額ベース]は、前年度比101.2%の3,629億円と推計した。2023年度は新設住宅着工数の減少や、 建設資材価格の高騰、施工人員不足による建設スケジュールの遅れ・見直しの影響で苦境であったものの、外壁材メーカー各社の価格改定や製品の高付加価値化が進んだことから、金額ベースにおいては前年度から微増となった。

2.注目トピック

環境対応型製品の開発・市場投入

外壁材メーカー各社においてはカーボンニュートラルへの取組みが進められており、製品として実現するための技術開発や、また実際にCO2排出削減を実現した製品の市場投入が始まっている。

窯業サイディングや押出成形セメント板では、製造工程においてボイラーや乾燥工程等で排出していたCO2を専用設備で回収し、炭酸化合物として製品の原材料で活用する事で二酸化炭素の排出量を大幅に削減する「排ガスCO2固定化建材」の開発・製品化の動きが見られる。
また、金属サイディングでは、製造時に使用する電力の再生可能エネルギー由来への切り替えや、J-クレジットの活用による排出CO2のカーボン・オフセットなどに取組むことで、製造工程におけるカーボンニュートラルを達成した製品が出現している。

3.将来展望

2024年度の外壁材市場規模(7分野計)は、前年度比100.2%の3,636億円と予測する。外壁材全体の傾向としては、引き続き新設住宅着工数の減少等から施工面積や重量など数量ベースでは減少が見込まれる。一方で、原燃料価格高騰による価格改定が浸透し、また製品の高付加価値化が進められていることから、金額ベースでは横這いから微増で推移する見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2024年8~10月
2.調査対象: 外壁材メーカー、各種外壁材関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
<外壁材市場とは>
本調査における外壁材市場とは、窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材(既調合モルタル)、外壁仕上塗材の7分野の外壁材を対象とし、メーカー出荷金額ベースで算出した。
なお、2023年度までの外壁用タイルは経済産業省「生産動態統計」を基に算出、それ以外の6分野および2024年度以降の予測値は矢野経済研究所推計値である。
<市場に含まれる商品・サービス>
窯業サイディング、押出成形セメント板、ALC、外壁用タイル、金属サイディング、モルタル外壁材(既調合モルタル)、外壁仕上塗材

出典資料について

資料名2024年版 外壁材市場の全体像と素材別実態
発刊日2024年10月31日
体裁A4 349ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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