2023年度の防水材市場規模は前年度比101.9%の約7,857万㎡
~改修工事の需要回復や新築工事の需要増加により、防水材市場は増加で推移~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の防水材市場を調査し、防水材市場の概況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
防水材市場規模推移・予測
1.市場概況
2023年度の防水材市場規模(施工面積ベース)は、前年度比101.9%の7,857万2,000㎡と推計する。
コロナ禍で一時中止・延期されていた工事が再開したことで新築や改修の需要が回復したことや、都心部を中心としたオフィスや商業施設の再開発や大規模工場など新築工事の需要も旺盛だったことから、防水材市場は拡大した。
2.注目トピック
”技能員不足” への対応が課題に
防水材は、建設現場で施工することで防水材としての機能を持つ。そのため、改修や新築の工事等建設需要があっても、施工を行う ”技能員” がいなければ防水材の販売に繋がらない。
既に防水材施工事業者が技能員不足を理由に工事の受注を断るケースが発生しており、”技能員不足” が防水材市場の拡大に向けた課題となっている。
今後は技能員不足に対応した製品や施工方法、施工機械等の開発・普及が重要となる。
3.将来展望
2024年度の防水材市場規模は、前年度比99.7%の7,833万6,000㎡と予測する。
戸建住宅分野については新築向け需要が中心となるが、今後、新設戸建住宅着工数は微減で推移すると予測することから、防水材の需要も減少傾向にあると考える。
また、集合住宅や非住宅などの分野では、引き続き大都市圏を中心としたオフィスビル等の再開発や工場等の新築需要は続いているほか、マンションの大規模修繕工事や工場等の金属屋根改修などの改修需要も増えている。
一方で、人手不足や建設費高騰による建築計画の見直し、週休二日制の導入等を背景に防水材施工の前工程で遅れが生じている。また、防水材施工においても技能員の人手不足や猛暑対策等による施工稼働日数の減少等が発生し、防水材の販売に影響が出ている。各分野の状況を総合的に勘案し、防水材市場全体では微減で推移すると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2024年10月~12月 2.調査対象: 防水材メーカー、防水材関連事業者、その他関連業界団体等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用 |
<防水材市場とは> 本調査における防水材市場とは、建築物における降雨水を遮断し、漏水を防ぐことを目的とする工事に用いられる下記の工法・材料を対象とする。但し、屋根下葺・外壁下張材、土木専業メーカーの遮水シート、ケイ酸質系塗布浸透性防水材は含まない。 《アスファルト系防水材》・・・アスファルト・改質アスファルト(熱工法、常温工法、トーチ工法等) 《シート防水材》・・・加硫ゴムシート、非加硫ゴムシート、塩ビシート、エチレン酢ビシート、ポリエチレンシート、ウレタンシート、TPE/TPO系シート 《塗膜防水材》・・・ウレタン、FRP、ポリマーセメント系(EVA/アクリル+セメント混和)、アクリル、その他樹脂・合成ゴム、ゴムアスファルト、外壁塗膜化粧防水材(アクリルゴム、1液性ウレタン) |
<市場に含まれる商品・サービス> アスファルト系防水材、シート防水材、塗膜防水材 |
出典資料について
資料名 | 2025年版 各種防水材市場の現状と有力メーカーの戦略 |
発刊日 | 2024年12月26日 |
体裁 | A4 340ページ |
価格(税込) | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
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