さまざまな人事施策をスピーディーに実践して組織力を強化するためには、自社に適した支援サービスをうまく活用していく必要がある。そこで、最近発表された人材の採用・定着・育成に役立つ多くのサービスの中から日本人材ニュース編集部がピックアップして紹介する(文:日本人材ニュース編集部)
社員のつながりデータを利用し、コミュニケーション課題を解決
リモートワークの浸透などで働き方が大きく変化した中、社員間のコミュニケーション不足に起因する知的生産性の低下やメンタルヘルスの不調、オフィス運用の見直しなどが経営課題として注目されている。
NSFエンゲージメントは、NTTアーバンソリューションズと共同で、社員間のコミュニケーションを活性化するためのシステム「スマートホテリング®」を開発した。
ホテリング機能(座席予約機能)に加え、社内に点在する多様なデータを利活用し、独自の特許技術によって社員のつながりデータに基づき出社を促す「レコメンド機能」や、社員の様子を分かりやすく提示するUI「メンバーズポータル機能」などにより、リモートワークとオフィス勤務の垣根を越えたスムーズなコミュニケーションを実現する。
一人一人が効果的に連携し合い、知的生産性の向上や共創・創発の促進、働きやすい職場環境の構築、社員エンゲージメントの向上や企業文化の醸成を支援する。
デジタル人材の採用・育成・評価の専門家が採用業務を代行
ITエンジニアやデータサイエンティストなどのデジタル人材を採用するノウハウが不足している企業を支援するため、ギブリーは、採用の成功まで伴走するプロフェッショナルRPOサービス「Track リクルーティングパートナー」を開始した。
同社はデジタル人材の採用・育成・評価のためのHRプラットフォーム「Track」を提供し、コーディングテストツール「Track Test」、エンジニア求人サービス「Track Job」などを通じて、80万件以上のエンジニアのスキルデータを保有する。「Track リクルーティングパートナー」では、同社独自のプロダクトや生成AIを活用し、採用担当者が抱えるオペレーション業務を低コストで実行支援する。
年間500社以上のエンジニア採用をサポートしてきたプロフェッショナルメンバーによる専属チームが、ソーシング業務、技術面接やスキル評価を代行し、DX・開発部門や人事担当者がより重要な業務に専念できるようにする。
スマホで受験できるテスト機能でノンデスクワーカーの教育を支援
小売、飲食、物流、介護、製造などのノンデスクワーカーが多く働く業界の社員教育のDX化を支援するサービスが出てきている。
スタメンは、エンゲージメント向上を実現するアプリ「TUNAG」に社内教育用「テスト機能」をリリースした。
「TUNAG」を導入する企業から、アナログで非効率な教育・オンボーディング、現場マネジャー・店長の多忙さ、フォロー不足による新人の離職、教育のばらつきなどの課題が寄せられていたことから、各社がオリジナルで作成した業務や社内規程に関するテストを時間や場所を選ばずにスマートフォンで受験できるようにした。テストの回答は自動採点され、受検者は実施後すぐに点数と合否の確認ができる。
今後もノンデスクワーカー向け教育DX機能を強化し、必要な教育コンテンツをまとめて実施依頼できる「タスク機能」、撮影から編集まで行う「動画マニュアル制作サービス」などのリリースを予定している。
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