2025年卒向けのインターンシップの実施率は初の6割超えとなり、コロナ禍前を上回って過去最高となったことが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「マイナビ2025年卒 企業新卒採用活動調査」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
2025年卒向けのインターンシップの実施率は61.3%で3年連続の増加となり、コロナ禍の影響を受ける前の21年卒(56.9%)を前年に引き続き上回り、調査開始以来もっとも高い実施率となった。
経年で比較すると、22年卒はコロナ禍のため、48.0%まで減少したが、その後は毎年上昇を続け、25年卒では調査開始以来最高値となった。
【インターンシップの実施率】
2020年卒 55.2%
2021年卒 56.9%
2022年卒 48.0%
2023年卒 52.1%
2024年卒 59.5%
2025年卒 61.3%
インターンシップの問題点は前年同様に「母集団(エントリー数)の不足」(65.9%)が最多で、前年より3.6ポイント増加した。この要因についてマイナビでは「学生の参加状況をみると応募・参加割合ともに高い水準を保っているが、企業の実施率も増えているため、参加人数の確保が難しくなっている」と指摘する。
【インターンシップの問題点】(複数回答)
母集団(エントリー数)の不足 65.9%
マンパワー不足(他業務との兼ね合い含む) 38.0%
企業の知名度が無い 33.2%
プログラム内容の充実度 28.9%
協力社員の確保が難しい 27.6%
6月時点の採用充足率(採用予定数に対して現在採用が確定している割合)を聞くと、採用予定数の半数以上採用が確定している割合は40.0%(前年比0.5ポイント増)で微増した。
【採用充足率(採用予定数に対して現在採用が確定している割合)】
8割以上 19.5%(前年19.0%)
5~7割 20.5%(同20.5%)
1~4割 27.9%(同28.9%)
0割 32.0%(同31.5%)
詳細を見ると「8割以上」が24年卒の19.0%から0.5ポイント増加している一方で「0割」も0.5ポイント増となっており、マイナビは「採用充足率が高い企業と低い企業の差がやや広がっている様子もうかがえる」とした。
初任給の引き上げについて聞くと、学部卒生の総合職採用について、直近で初任給の引き上げを行った企業は84.4%となった。前年の70.0%から14.4ポイント増加し、上場企業・非上場企業ともに8割を超える企業が初任給を増額した。
【初任給を引き上げたか(学卒生・総合職)】
24年卒 引き上げた70.0%:引き上げていない30.0%
25年卒 引き上げた84.4%:引き上げていない15.6%
上場 引き上げた87.7%:引き上げていない12.3%
非上場 引き上げた84.1%:引き上げていない15.9%
引き上げ額について、前年は「5000円~1万円未満(36.0%)」が最多だったが今年は「1万円~2万円未満(35.9%)」が最多となり、上げ幅も前年より拡大している。特に上場企業では「1万円~2万円未満」の割合が前年の約2倍となった。
調査は、2024年6月3~20日、WEBで実施し、3157社の有効回答を得た。 (上場255社・非上場2902社、製造1300社・非製造1857社)