「SDGsに積極的」な企業は、前年比0.9ポイント増となる54.5%に上り、調査開始以降で最高水準となったことが帝国データバンクの「SDGsに関する企業の意識調査(2024年)」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

「SDGsに積極的」な企業は54.5%で過去最高、「人員確保」「取引先との関係強化」が目的

自社におけるSDGsへの理解や取り組みについて尋ねたところ、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は29.7%となり、前年より2.3ポイント上昇した。また、「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」は24.8%で同1.4ポイント低下した。

合計すると「SDGsに積極的」な企業は0.9ポイント増の54.5%と、調査開始以降で最高水準を更新した。ただし、前年に続き、上昇幅は鈍化する結果となった。

現況について帝国データバンクでは「企業からは“取り組まないと人員確保が難しいと感じる”(電気・ガス・水道・熱供給、神奈川県、中小企業)や“取引先からの取り組み状況の調査が増えている”(情報サービス、富山県、中小企業)の声にあるように、人材確保や取引先との関係強化を目的に取り組んでいる企業が複数みられた」とした。

【SDGsへの理解と取り組み】
意味および重要性を理解し、取り組んでいる 29.7%
意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている 24.8%
言葉は知っていて意味もしくは重要性を理解できるが、取り組んでいない 33.5%
言葉は知っているが意味もしくは重要性を理解できない 7.4%
言葉も知らない 0.5%
分からない   4.0%

また、SDGsに積極的な企業を業界別にみると、「金融」が66.4%で最も高かった。

【業界別 SDGsに積極的な企業割合 上位5】
金融     66.4%
農・林・水産 64.4%
製造     61.9%
建設     54.8%
運輸・倉庫  53.7%

SDGs17の目標のなかで、現在力を入れている項目を尋ねたところ、働き方改革や労働者の能力向上などを含む「働きがいも経済成長も」が34.0%で最も高かった。

次いで、再生可能エネルギーの利用などを含む「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(25.0%)、リサイクル活動などを含む「つくる責任つかう責任」(23.2%)が続いた。

なかでも近年政府が注力している女性活躍推進などを含む「ジェンダー平等を実現しよう」(14.6%)は前年比2.4ポイント増となり、最も大幅に上昇した。

【SDGs17の目標のなかで、現在力を入れている項目 上位10】(複数回答)
働きがいも経済成長も 34.0%
エネルギーをみんなにそしてクリーンに 25.0%
つくる責任つかう責任 23.2%
気候変動に具体的な対策を 23.1%
住み続けられるまちづくりを 18.0%
すべての人に健康と福祉を 17.8%
パートナーシップで目標を達成しよう 17.3%
ジェンダー平等を実現しよう 14.6
質の高い教育をみんなに 13.5%
産業と技術革新の基盤をつくろう 11.5%

今後、最も取り組みたい項目について尋ねたところ、現在最も力を入れている項目と同様に「働きがいも経済成長も」が11.8%でトップ、全項目のなかで唯一1割を超えた。

次いで、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(7.3%)や、「気候変動に具体的な対策を」(6.9%)が上位に並んだ。

調査は、2024年6月17~30日、全国2万7159社を対象に実施し、1万1068社の有効回答を得た。

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