2024年度(2024年4月~2025年3月)に設備投資を実施する予定(計画)がある企業は58.7%に上ることが、帝国データバンクの「2024年度の設備投資に関する企業の意識調査」で明らかとなった。前回調査(2023年4月調査)と比べると1.8ポイント低下し、4年ぶりに前年を下回った。(文:日本人材ニュース編集部

2024度に設備投資を実施する予定「ある」企業は58.7%、人手不足への対応、デジタル化投資が進む

2024年度に設備投資の予定(計画)が「ある」企業の割合を業種別にみると、「旅館・ホテル」は82.4%で8割超となった。全業種平均を23.7ポイント上回った。

現況について帝国データバンクは「製造業関連の業種が上位に並ぶなか、“旅館・ホテル”が唯一8割を超えた。インバウンド需要を中心に好調な業界環境を反映した結果」と指摘する。

【設備投資計画が『ある』企業の割合 上位10業種】
旅館・ホテル     82.4%
輸送用機械・器具製造 76.9%
化学品製造      76.2%
飲食料品・飼料製造  73.4%
運輸・倉庫      71.5%
建材・家具、窯業・土石製品製造 70.4%
鉄鋼・非鉄・鉱業   70.4%
医療・福祉・保健衛生 69.4%
飲食店        68.5%
飲食料品小売     67.4%

設備投資の予定(計画)が「ある」企業の割合を正社員の雇用過不足別にみると、人手が「不足」している企業は65.3%となった。一方、人手が「適正」な企業は53.9%、「過剰」な企業は52.1%だった。

とりわけ、投資内容をみるとITやDXなどの「デジタル投資」は、人手が「不足」している企業では40.4%と4割を超えた一方で、人手が「過剰」な企業では31.7%だった。

帝国データバンクは「人手が“不足”している企業の方が、人手が“適正”“過剰”な企業より、人手不足への対応や、業務改善を目的とした省力化投資、AIなどを含むデジタル投資関連を計画している」と分析する。

【雇用過不足別 設備投資計画が『ある』企業の割合】
人手「不足」 65.3%
適性     53.9%
人手「過剰」 52.1%

企業からは「人員不足を補う自動化・省力化に向けた設備投資を行う」(医療・福祉・保健衛生、千葉県)や「省人化のためのロボット導入を検討中」(合板製造、島根県)といった声があがった。

調査は、2024年4月16日~30日、全国2万7052社を対象に実施し、1万1222社の有効回答を得た。

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