日本M&Aセンターの食品業界専門グループのメンバーが業界の最新情報を執筆しております。 今回は高橋が「2024年版外食・飲食業界M&Aデータブック解説と最新動向」についてお伝えします。

「外食・飲食業界M&A DATA BOOK 2024」について

「外食・飲食業界M&A DATA BOOK 2024」は、食品業界専門グループが作成した、当社で“初”の外食・飲食業界に特化したМ&A事例を分析した資料となります。

近年の外食・飲食業界におけるM&A件数や特徴をまとめ、最新トレンドを解説しています。実際に支援した外食・飲食業界のM&Aを分析して、経営者の平均年齢や売上規模、譲渡対価などをグラフ付きで説明しています。今回のコラムでは、「外食・飲食業界M&A DATA BOOK 2024」の内容を一部抜粋して解説致します。

外食・飲食企業当社成約実績及び成約分析

2023年の当社実績においては、外食・飲食企業×異業種企業の事例が増加傾向にありました。

新型コロナウイルスの影響が無くなり、インバウンド需要等が復活したことから、外食・飲食産業に対する注目度が増していると考えられます。 外食・飲食業界のМ&Aの特徴として、М&A成約時の譲渡オーナーの年齢が他業界と比べて低い傾向にあります。当社で過去お手伝いをさせて頂いた外食・飲食企業の譲渡オーナーの平均年齢は56.6歳であり、60歳未満で全体の63%を占めています。

こういった背景として、外食・飲食業界におけるМ&Aの目的として、後継者不在などを解決するための「事業承継型М&A」よりも、第三者との提携により自社の次なる成長を目指す「成長戦略型М&A」を志向するオーナーが他業界に比べて、多い傾向にあるためと考えています。

会社を成長させるためにМ&Aを行うオーナーが多いことから、М&A成約後、社長もしくは経営陣として残って会社に関与し続けるオーナーが多いことも外食・飲食業界の特徴にあると言えます。 更に、譲渡時点での売上としては平均値11億円、中央値4億円であり、年商5億円未満で全体の約60%を占めています。

「M&A」という言葉のイメージから‘大きい企業がやるもの’という印象を持たれてる方も多くいらっしゃいますが、外食・飲食業界のМ&Aの実態としては中小企業がメインと言えます。