譲渡オーナーそれぞれの決断

外食・飲食企業のオーナーがМ&Aを行う理由は十人十色であり、譲渡オーナーがМ&Aに至る決断は譲渡オーナーごとに異なる背景があります。以下ではいくつかの決断理由を記載させて頂きます。

CASE①「家族との時間を確保したい。」60代/カフェ運営/年商4億

今まで仕事ばかりしてきました。会社も仕事も好きなので、代表職は退いても顧問として会社に残ります。

事業承継等で出来た時間で家族孝行がしたいと思い決断しました。

CASE②「得意な仕事に専念したい。」40代/焼肉店運営/年商10億

日々の業務に忙殺されるのではなく、私にしかできない業務に専念したいと思いM&Aを決断しました。

今は自分が得意とするクリエイティブな業務に専念出来ています。

CASE③「もっと会社を成長させたい。」50代/複数業態展開/年商20億

一代で年商20億円規模の会社を作れたが、規模に比して内部管理体制に不安があり、今後の上場等を目指すために、組織作りのノウハウを持つ企業との資本提携を決断しました。

CASE④「自社業界の先行き不安。」50代/レストラン/年商2億

新型コロナウイルス感染症の影響で売上が急減し、今後の事業と従業員の継続雇用のために、資本提携先を探したいと思い決断しました。

CASE⑤「ある日継者者候補がいなくなりました。」80代/回転寿司/年商3億

後継者候補であった取締役が若くして亡くなってしまい、自分が育てたブランドを後世に残したいと思い決断しました。

CASE⑥「先代から受け継いだ店を後世に。」60代/和食/ 年商1億

2代目として創業60年超の老舗和食店を運営していましたが、後継者がおらず、自分の代で地域に愛されるお店を無くすことは出来ないと思い決断しました。

前述させて頂いた通り、外食業界においては「成長戦略型M&A」を志向する方が多い傾向にありますが、一方で長年続けている老舗の飲食・外食企業が多いのもまた事実です。 大手信用調査会社の帝国データバンクが公表した全国企業「後継者不在率」動向調査(2023)によると、「後継者がいない」または「未定」とした企業は14.6万社にのぼり、 全国の後継者不在率が53.9%としています。

これまで脈々と繋いできたブランド・技術・味を後世繋ぐためにM&Aを行う企業は今後益々増えるのではないかと考えます。