ロート製薬株式会社(4527)は、三井物産株式会社(8031)らと共同で、シンガポール漢方薬製造販売企業のユーヤンサン(シンガポール、以下「EYS」)の発行済普通株式の約 86%を Righteous Crane Holding Pte. Ltd.(シンガポール、以下「RCH」)から取得することを決議し、2024年4月4日付で株式譲渡契約を締結した。本株式取得の完了後、EYS の発行済普通株式の残り 14%を対象とした強制的公開買付けを実施する。
ロート製薬は、医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売を行う。
EYSは、 漢方薬・食品等の製造及び販売を行う。
本株式取得の方法及び理由
本株式取得は、ロート製薬(グループ会社を含む)と三井物産(グループ会社を含む)が共同出資するシンガポールの特別目的会社(以下「SPC」)により行われる。株式取得の条件が成立後、EYS 株式の残り 14% に対して強制的公開買付けを実施する。EYS の株式 100%取得の際の総額は、約 800百万シンガポールドル(SGD)(約 880 億円、1 SGD=110 円で換算)である。本株式取得及び本公開買付けにより SPC が EYS 株式の 100%を取得できた場合、EYS の実質持株比率として、三井物産が約 30%、ロート製薬が約 60%、創業家は SPC に再投資し、約 10% を保有する予定。
ユーヤンサン は 1879 年に創業され、シンガポール、香港、マレーシアを中心に 170 以上の店舗と30 の漢方薬クリニックを運営する東南アジア最大の漢方薬製造販売会社。 EYS は、科学的アプローチを用いて医薬品から食品まで幅広い漢方薬製品の開発・販売を行っており、漢方薬から「ナチュラルヘルス&ウェルネス」分野まで事業を拡大している。
ロート製薬は、世界の人々に商品やサービスを通じて「健康」をお届けすることによって、当社を取り巻くすべての個人や社会を「Well-being」に導くことを存在意義(パーパス)として事業を展開し、事業領域ビジョン 2030 では一般用医薬品、スキンケア、食品のコア事業の更なる拡大・強化を目指す。
事業セグメント別売上でスキンケアは現在 65%を占めるが、あらゆる健康に対してソリューションを提供するには一般用医薬品・食品の更なる強化は必須であり、地域売上別売上で 30%を占めているアジア地域は今後更なる成長が期待できる。EYS のアジアにおける強い製品・ブランド力とロート製薬の研究技術開発・販売力が連携することで、革新的なビジネスにつなげ、前例のない健康事業の実現を目指す。
三井物産は中期経営計画 2026 において、Wellness Ecosystem Creation を攻め筋の一つとして定め、医療、未病・予防に加え、健康に通じる食の提供により、多様化する消費者のライフスタイルの質向上への貢献を目指す。2018 年の米国・高機能サプリメント製造販売事業者ソーン ヘルス テック(Thorne HealthTech Inc.)への出資以降、「サイエンスに立脚する未病対策ソリューション事業」の構築を進めている。22 年 11 月にはファンドを通じて EYS へ出資参画し、EYS のブランド価値向上や海外展開支援をするなど EYS の事業の拡大に貢献、この度同ファンドは清算され、同時に再出資を行う。
本件を通じてアジアを軸としたウェルネス領域の取り組みを、ロート製薬と共同で加速させる。
本株式取得による取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1) EYS 発行株式数
444,545,960 株(議決権の数:444,545,960 個)
(2) 本株式取得前の所有 EYS 株式数
0 株(議決権の数:0 個)(議決権所有割合:0%)
(3) 本株式取得による取得 EYS 株式数
381,922,612 株(議決権の数:381,922,612 個)
(4) 本株式取得の想定取得価額
687 百万シンガポールドル(約 756 億円、1 SGD=110 円で換算)
(5) 本株式取得後本公開買付け前の所有 EYS 株式数
381,922, 612 株(議決権の数:381,922,612 個)(議決権所有割合:86%)
予定・スケジュール
(1) 取締役会決議日 2024 年 4 月 4 日
(2) 株式譲渡契約締結日 2024 年 4 月 4 日
(3) 株式譲渡実行日 2024 年 6 月 30 日(想定)