木彫り熊の発祥から現在まで【北海道エリア】
木彫り熊の発祥から現在まで【北海道エリア】

こんにちは!ライターのちひろです。

皆さんは「北海道の定番土産」と言えば何を思い浮かべますか? 地域にちなんだお土産がたくさんありますが、私が真っ先に思うのは「木彫り熊」です。

そこで今日は部屋に飾れば北海道旅を連想させる、
そんな木彫り熊の歴史について書いていきます!

木彫り熊の発祥

初めて木彫り熊が作られたのは、およそ100年前。北海道の南部に位置する八雲町で当主をしていた徳川義親(よしちか)が、農民たちにお土産として作らせたのが始まりなんです!

それは厳しい冬の寒さや経済不況で苦しむ農民を助けるためであり、義親はスイス旅行の際に土産店で見つけた木彫り熊を日本でも作り、お土産として売ることで彼らの生活を豊かにしようと考えました。

そこで農民たちに熊の彫刻を作ることを勧め、
「できあがった熊は1個1円で買い上げる」という試みを開始。 当時の1円は現代の4,000〜5,000円に相当し、かなり破格の条件だったため、木彫り熊の制作は冬の農閑期の副業、さらには新たな趣味として町民に広まっていました。

観光ブームによる生産の増加

徐々に生産が拡大していった木彫り熊ですが、爆発的に認知度が高まるきっかけがありました。それは1960年頃の北海道観光ブームです。
大きなリュックを背負う旅行者の姿が、カニに似ているとして「カニ族」という言葉が生まれるほど、当時は観光がブームでした。

観光地では木彫り熊が大量に彫られ、その結果、北海道へ出かけた旅行者たちがお土産として購入。多くの家庭で木彫り熊が見られるようになりました。

新婚旅行などの餞別返しとして50体の木彫り熊をごそっと買っていくなんてこともあったそうですよ!

木彫り熊、再注目の魅力とは

非常に人気があった木彫り熊ですが、徐々に衰退してしまい、八雲町の生産者は2012年の時点で一人のみとなりました。お土産として購入する人も減り、このまま忘れ去られてしまうのか…と思いきや、最近再注目されているんです!

昭和レトロを愛する人々を中心に、SNS内で木彫り熊に関係するハッシュタグがつけられた投稿が増え、関心が高まりました。昔から作られているもののレトロさに惹かれる人が増えたのでしょうか。
現在は、日本国内だけでなくアジア諸国や欧州にも木彫り熊の魅力が届き始めています!

おわりに

いかがでしたか?

木彫り熊の存在は知っていても、その歴史までは知らなかった!という方もいるのではないでしょうか。
北海道を訪れた際にはぜひ、「木彫り熊発祥の地 八雲町」を訪れてみてくださいね!

これからも北海道の魅力をMade In Localと一緒に見つけていきましょう!

参考

“木彫り熊発祥”の八雲町 地元の人たちの思い (NHK函館放送局)
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n8f5942bab9fb

木彫り熊の未来のために (北海道博物館協会 学芸職員部会)
https://www.hk-curators.jp/archives/4791

北海道土産で有名な「鮭をくわえた木彫りの熊」は、スイスのお土産にヒントを得て作られた? (LINE NEWS)
https://news.line.me/detail/oa-japaaan/6af3eb34818b

木彫りの熊はなぜ人気?その魅力や広まった歴史を解説 (キフコレ)
https://kifu-colle.com/blog/2315