【2】2023年TOKYO PRO Market新規上場会社の状況
それでは、今年TOKYO PRO Marketに新規上場した会社にはどのような特徴があったのでしょうか。売上規模・業種・本社所在地の3つの観点から見ていきます。
【2-1】2023年TPM新規上場会社の売上規模
今年TOKYO PRO Marketに上場した各社の上場直前期における売上規模の最大値・最小値・中央値は以下の通りです。 ・最大値:254億円(GTホールディングス株式会社) ・最小値:2.7億円(WizBiz株式会社) ・中央値:14.4億円
売上規模別の割合を見ると下図の通りです。
最も売上高が大きかったGTホールディングスは250億円超と、売上高だけで見れば一般市場上場会社クラスの規模感です。2023年1月に上場した大友ロジスティクスサービスも、売上高201億円であり200億超えの規模となっています。 一方で最も売上高の小さかったWizBizは3億円に満たない規模で、最大値と最小値の差をとると250億円にも及びます。 形式基準がないというTOKYO PRO Marketの市場設計を活かし、幅広い会社が上場できていることが分かります。 ※形式基準:上場申請にあたりクリアしなければならない定量的な側面の基準のこと
売上高の中央値については14.4億円となりました。 売上規模別に見ると中央値通りの売上高10億~20億円規模の会社が10社と最も多くなっていますが、次いで多いのが売上高10億円未満の会社です。WizBizを含めて5億円未満の会社が3社ありました。
2022年にTOKYO PRO Marketへ新規上場した会社の売上高の中央値は26億円であったため、比較すると今年は小規模な会社の上場が多かったといえるでしょう。
【2-2】2023年TPM規上場会社の業種分布
今年は情報・通信業の会社が最も多く、9社が新規上場しています。東証グロースに多く上場している印象のある情報・通信業ですが、【1】で述べた通り東証グロースへの新規上場が昨対比で見るとわずかに落ち込んだことを踏まえると、9社の中にはTOKYO PRO Marketへ上場市場を変更した会社も一定程度含まれているのではないかと推察されます。
また、サービス業の上場会社が過半数以上を占める東証一般市場と比較すると、TOKYO PRO Marketは様々な業種が上場していることが分かります。
【2-3】2023年TPM規上場会社の本社所在地分布
今年TOKYO PRO Marketに上場した各社の本社所在地の内訳は以下の通りです。
地方企業が上場しているイメージの強いTOKYO PRO Marketですが、今年は32社中14社、全体の43%が東京本社の会社でした。しかしながら東証一般市場に上場している会社においては70%以上が東京本社であることと比較すると、引き続き地方からも上場会社が誕生している市場です。
次いで多かったのは京都府で、4社が上場しました。また、和歌山県からは2023年1月26日にあさかわシステム株式会社・株式会社ミモナの2社が同時に上場し、和歌山県内からは初のTPM上場会社となりました。