【3】2023年J-Adviserの上場支援状況

TOKYO PRO Marketに上場するためには、J-Adviserを1社選定し、契約することが必要です。 2023年12月20日現在、全国で16社がJ-Adviser資格を取得しています。

今年8月には、ネット証券最大手であり一般市場新規IPO銘柄を多く取り扱うSBI証券株式会社がJ-Adviser資格を取得しました。そのことからも、TOKYO PRO Marketがいかに注目を集めつつあるかが見て取れます。

【3-1】2023年J-Adviser別新規上場会社担当数

2023年新規TOKYO PRO Market上場会社における、各J-adviserの担当社数は以下図の通りです。 J-ad実績数

当社日本M&Aセンターが最も多くのTOKYO PRO Market新規上場会社を輩出しました。

2019年7月のJ-Adviser資格取得以降、着実にTOKYO PRO Market実績を積み重ねており、これまでにTOKYO PRO Market上場申請を担当した数は25社にのぼります。

【4】2023年TOKYO PRO Market上場廃止した会社の状況

続いて、TOKYO PRO Marketへ新規上場した会社だけではなく、上場を廃止した会社についても分析していきます。

2023年は、昨年よりも2社多い6社がTOKYO PRO Marketの上場を廃止しました。

上場廃止理由の内訳は以下の通りです。 ・一般市場への市場変更のため上場廃止 :4社 ・全株式を譲渡し子会社化するため上場廃止 :1社 ・その他事由による上場廃止 :1社

【4-1】TOKYO PRO Marketから一般市場への市場変更の動きが盛んに

昨年は、TOKYO PRO Marketから一般市場へのステップアップ上場を果たしたのは、名証ネクストに市場変更したアップコン株式会社1社のみでした。

今年は名証ネクストへの市場変更が1社、東証グロースへの市場変更が1社、東証スタンダードへの市場変更が2社の合計4社がステップアップ上場をしています。

特に注目すべき事例としては、2023年6月に東証グロース上場をしたブリッジコンサルティンググループ株式会社です。TOKYO PRO Marketから東証一般市場へ市場変更にかかった期間としてはこれまでで最短である1年1ヶ月でグロース上場を果たしました。

2009年の市場開設以降、これまでにTOKYO PRO Marketから一般市場へ市場変更した事例は10社のみ。うち4社が今年2023年の事例ということを考えると、いかにその動きが盛んだったかが分かるでしょう。

TOKYO PRO Marketから一般市場へ上場した会社一覧(2023年12月20日時点) ステップアップ上場

【4-2】100億円越えのEXIT事例も発生

もう一つ興味深い事例となったのが、2023年8月に東証プライム上場銘柄であるヤマエグループホールディングス株式会社へ株式譲渡し、同社の完全子会社となった株式会社LUMBER ONEです。LUMBER ONEは完全子会社化に伴い、2023年8月16日にTOKYO PRO Market上場を廃止しています。

ヤマエグループホールディングスのIR資料(2023年7月18日公表)によると取得価額は100億円であり、LUMBER ONEの直近期における純資産額は36億円のため、PBRは3倍近くに及びます。TOKYO PRO Market上場会社であったことが間違いなく好条件でのM&A実行に寄与したと思われます。