法人の廃業と閉業、解散、倒産、破産の違い

廃業と同じように法人を閉鎖することを指す言葉として「解散」「倒産」「破産」の3つがあります。廃業とどのように違うのかを解説します。

解散との違い

解散とは、会社の事業を停止し、「廃業のための清算手続きを行う準備に入った状態」を指します。つまり、会社を清算・消滅させるためのスタート地点です。

なお、会社の解散は従業員や取引先、顧客など周囲に与える影響が大きいため、理由もなく解散することは認められていません。会社法第471条 では、解散が認められる事由を以下のように定めています。

- 定款で定めた存続期間が満了した場合
- 定款で定めた解散の事由が発生した場合
- 株主総会で解散が決議された場合
- 合併によって会社が消滅する場合
- 破産手続の開始が決定された場合
- 休眠会社のみなし解散が行われた場合
※会社法 第8章 第471条より抜粋

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倒産との違い

倒産は正式な法律用語ではありませんが、一般的に企業経営が行き詰まり、債務が弁済できなくなった状態を指す言葉です。 廃業のように自ら選択して事業を閉鎖するのではなく、事業が続けることができなくなる状態です。

具体的には、手形交換所で取引停止処分を受け銀行取引停止処分となった場合や、裁判所に破産手続きの開始や特別清算手続きなどを申請した段階で、倒産となります。また、経営者と連絡がつかなくなった状態も、事実上倒産とみなされます。

倒産は会社を清算(消滅)させる清算型と、事業継続しながら債務を弁済する再建型の2つに大別されます。

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破産との違い

破産とは、債務超過や債務不履行などにより企業経営の継続が困難になった会社が、裁判所に申し立てを行い、清算手続きを行うことを指します。

具体的には、会社が所有している財産や事業をすべて清算するのと引き換えに、会社が負っていたすべての債務を免除してもらうことを目的とした裁判上の手続きのことです。

会社の倒産手続きには「破産」や「特別清算」、「民事再生」、「会社更生」などが含まれていることから、破産は数ある倒産手続きのひとつであると言えます。

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