2022年の国内クリーニング関連市場は前年比105.9%の2,713億5,000万円
~2020年、2021年の大幅な減少から一転して回復に転じる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のクリーニング関連市場を調査し、市場規模や、販路別等の動向を明らかにした。
国内クリーニング関連市場規模推移(販路別)
国内コインランドリー市場規模推移・予測
1.調査結果概要
2022年の国内クリーニング関連市場(一般家庭向けのクリーニング店、コインランドリー、無店舗・宅配型のクリーニング店を合算)は、事業者売上高ベースで前年比105.9%の2,713億5,000万円と推計した。2022年の同市場を販路別にみると、一般的な店頭型の「クリーニング店」は同110.0%の1,600億円となり、コロナ禍の影響を大きく受けた2021年から復調した。一方、コロナ禍においても成長を続けていた「コインランドリー」は同100.4%の1,009億円、「無店舗・宅配型」は同101.5%の104億5,000万円となり、微増し続けている。
2020年、2021年は、コロナ禍に伴うテレワークの普及や、ワイシャツやスーツを中心としたアパレル製品の販売不振の影響を受け、クリーニング業界にとって売上の確保が厳しい年となっていたが、2022年は復調した。要因としては、2022年3月の緊急事態宣言・まん延防止等重点措置全面解除を追い風とした外出機運の高まりや、就業場所を在宅勤務からオフィスワーク(出社勤務)に戻す企業が見られるようになったことが挙げられる。
2.注目トピック
コインランドリー市場の動向
2022年のコインランドリー市場規模は、事業者売上高ベースで前年比100.4%となる1,009億円と推計した。同市場については、2021年に引き続き2022年以降も店舗拡大を続けるコインランドリー事業者がいる一方で、拡大ペースが急激に鈍化し、既存店の売上高が前年比で減少し続けるなど業績が不調なコインランドリー事業者も増えている。そのため、市場の拡大ペースは今後さらに鈍化していく可能性が高く、2023年には前年比100.3%の1,012億円、2024年には同100.3%の1,015億円で推移していくと予測する。
近年のコインランドリー市場は、異業種からの新規参入も増え競争が激化してきたことで、カフェやコンビニエンスストア、洗濯代行業などと併設した有人店舗や、洗練された内装など店舗の形態や空間作りが多様化している。
また、IoT技術やスマートフォンと組み合わせ、利用者の利便性を高めた設備機器が普及するなど、従来の競争軸である価格競争とは異なる「顧客にとっての価値」の打ち出しが浸透し始めている。具体的には、コードの読み込みやキャッシュレス決済専用の端末の使用により電子マネーやクレジット決済を可能にしている店舗がみられる。また、参入事業者が増加してきたことで競争環境は厳しくなっており、今後は既存事業者間での競争が激しくなっていくとみる。
調査要綱
1.調査期間: 2023年4月~6月 2.調査対象: 国内有力クリーニング業者、ホールセール業者、洗剤メーカー、国内有力コインランドリー運営企業、コインランドリー設備機器メーカー、国内有力リネンサプライヤー等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用 |
<クリーニング関連市場とは> 本調査におけるクリーニング関連市場とは、一般家庭向けのクリーニング店(洗濯代行業や布団丸洗い業を含む)やコインランドリー、無店舗・宅配型のクリーニング店を対象として、事業者売上高ベースで算出した。 クリーニング店とは、洗剤や溶剤を使って衣料品などの繊維製品を中心に、皮革製品なども洗濯する業者を指す。なお、洗濯代行業とは、従来のクリーニング店では扱わない下着やTシャツ、タオルのような、家庭でも洗濯できる衣類の洗濯を請け負うサービス業者を指し、布団丸洗い業とは、布団の洗浄・乾燥を請け負う業者を指す。 また、コインランドリーとは、硬貨を入れると作動する自動洗濯機や乾燥機を用いたセルフサービス式の洗濯店を指し、電子マネー等の決済手段を取り扱うコインランドリーも含む。 ※なお、ランドリー、ドライクリーニング、ウェットクリーニング等のクリーニング種類は問わない。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 一般家庭向けのクリーニング店(洗濯代行業や布団丸洗い業を含む)、コインランドリー、無店舗・宅配型のクリーニング店 |
出典資料について
資料名 | 2023 クリーニング関連市場総覧 -クリーニング・コインランドリー・リネンサプライ市場の動向- |
発刊日 | 2023年06月28日 |
体裁 | A4 200ページ |
価格(税込) | 176,000円 (本体価格 160,000円) |
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