民事再生手続きの流れ

民事再生は、手続きの申立てから再生計画が認可されるまで、およそ半年程度を要するとされています。本記事では、主な流れをご紹介します。

①裁判所への申立て・保全処分の決定

債務者が裁判所に「再生手続き開始の申立て」を行います。法人による申し立ては、国内に営業所・事業所、または財産を有する法人のみが行えます。 民事再生の申立てを行うには、事前に再建手法を検討し、申立代理人となる弁護士を選任する必要があります。

民事再生を申し立てると、債権者による債権回収を防止するために保全処分の決定が行われます。その際には裁判所に納める予納金も必要になります。

②監督委員の選任・債権者への説明

申立てが行われると、裁判所は監督委員を選任します。 監督委員は、民事再生の手続きに精通した弁護士の中から選任されます。監督委員が選任されると、債務者の財産処分行為や借入行為などが監督委員の監督下に置かれます。

また、法律上の要件ではないものの、この段階で債権者説明会を開催されるケースが一般的です。民事再生は債権者の理解がなければ進められない手続きであるため、早い段階で債権者に状況を伝える必要があります。

③再生手続き開始決定

民事再生の申立てにつき、棄却事由(民事再生法25条)がなければ、申立てから1~2週間程度で再生手続きの開始決定がされます。

④債権調査、財産状況、財産評定の報告・債権認否書の提出

再生手続きの開始決定がされると、裁判所から各債権者に開始決定と債権届の用紙が送付されます。債権届を提出せず債権調査に協力しない債権者については、原則として債権を失ってしまうため注意が必要です。債務者は債権調査の結果を受けて、財産状況、財産評定の報告と債権認否書の提出を行います。

⑤再生計画案の作成・提出・認否

債務者は、財産状況、財産評定の結果を受けて再生計画案を作成し、裁判所に提出します。再生計画案は「議決権者の過半数の同意」かつ「議決権総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意」によって可決されます。

⑥再生計画の遂行

再生計画案の可決後は、再生計画にしたがって債務の弁済などを開始します。監督委員は、最大3年間、再生計画の遂行についても監督を続けます。

終わりに

以上、民事再生についてご紹介しました。民事再生は再建型の倒産手続きですが、会社再建にはM&Aという選択肢もあります。

清算型やスポンサー型の民事再生では、事業譲渡や会社分割、株式譲渡なども活用されています。会社再建の選択肢としてM&Aも含めて検討する場合には、弁護士だけでなくM&Aの専門家に相談することも選択肢としてご検討ください。

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