システムキッチン・バスを中心とした住宅設備機器メーカー・タカラスタンダードは、ホーローシステムキッチンのフラッグシップモデル「レミュー」をモデルチェンジし、8月28日に発売する。また、ファンを含む、内部の手入れが10年間不要とし、高い清掃性と意匠性を両立した最上位レンジフード「キープクリーンフード」を同日に発売する。8月24日には「ジャパン建材フェア」内タカラスタンダードブースにおいて新商品発表会を開催。世界初となるホーロー3Dインクジェット印刷技術を用いたデザインや、より家事を楽にする機能を盛り込み、これまで以上に高品質で高級感のあるキッチンへと生まれ変わった「レミュー」の特徴などについて紹介した。
「昨年度は過去最高の売上を記録したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアによるウクライナへの侵攻などの社会情勢から、物流や資材コストの高騰があり、営業利益については減少となった」と、タカラスタンダードの渡辺岳夫社長が挨拶。「今年度は、8月に発売したシステムバスが好調で、ホーローパネルによる豊富なデザインが評価され、当社の中核商品にまで成長した」と、新しく市場に投入した商品が早くも消費者の支持を集めていると目を細める。「ホーローパネルは、鉄とガラスを合わせた独自素材で、清掃が容易な点や耐久性の高さが大きな支持を集めている」と、ホーローパネルの特徴について言及。「2015年には、ホーローインクジェット印刷技術を開発し、2020年には艶消しホーローも実現。デザイン性を大きく改善することができた」と、木目調や節、キメなど本物の質感を表現できるようになったと胸を張る。「今回発売するシステムキッチン『レミュー』では、新技術によって側面にも印刷できるようになった」と、画期的な技術を採用したシステムキッチンなのだと自信を見せる。
「平成の30年間で新設住宅は半減したが、水回り商品に対する高付加価値ニーズもあり、数量は減少したものの、金額ベースはアップに転じた。令和では人口の減少によって新築住宅の着工戸数は減少していくものとみられる。一方で、リフォームを中心に水回り市場は成長の余地がまだ残されていると考える」と、昨今のマーケット動向について解説。「コロナ禍で家にいる時間が長くなり、リフォーム市場が活発化した。こうした動きから、膨大な潜在需要があると見込まれると同時に、これをしっかり刈り取ることが必要であると考える」と、人々の水回りに対するニーズを掘り起こしきれていないと力説する。「昨今の日本の水回り事情は、世界でも高く評価され、当社においてもアジアでの営業を開始した」と、水回りの快適性やゆとりある空間に、諸外国から高い評価を得ているのだという。「特別な価値を消費者に提供するために、ホーローの素晴らしさを国内はもとより海外にも知らしめていきたい」と、同社が培ってきたホーロー技術をさらに多くの人々に広めていきたいとアピールした。
次に、同 小田泰三常務が、新「レミュー」の発売に至った背景について発表した。「良いものを手をかけながら長く使ってもらうことをコンセプトに、時を超えて愛され、長く使っても飽きのこないキッチンを提供するべく、デザイン性と使い勝手にこだわったのが、新『レミュー』となる」と、新「レミュー」の開発コンセプトについて紹介する。「シンプルで、ノイズレス、ミニマルなデザインとするべく、モダンでシンプルなテイストをデザインに取り入れた」と、デザインについて言及。
「使い勝手については、当社が行ったアンケートから、キッチンを購入した際に重視する点として、“汚れにくくて掃除しやすい”がトップとなり、“料理しやすい”という意見も半数を超えた。料理は片付けまでといわれるだけに、回答の真相を探るべく、様々なマーケティング施策を行い導き出したのが、『家事動線の効率化』だった。そしてこの家事動線にこだわったのが新『レミュー』となる」と、新「レミュー」のこだわりポイントについて語る。「料理のしやすさは、動線をよくすること。これによってタイムパフォーマンスの向上につながる」と、共働き世代を意識した作りにもなっているという。「デザインおよび家事動線にこだわったホーローシステムキッチン『レミュー』に期待してほしい」と、同社自慢のキッチンに仕上がったと訴えた。
同 研究開発本部開発部 企画グループの山口健課長代理が新「レミュー」の機能や特徴などについて説明した。「ホーローは金属が持つ堅牢さに、ガラスが持つ美しさを合わせ持った素材となる。当社はホーローが住宅設備機器として最適な素材であると考え、様々な製品で活用してきた」と、ホーローの優れた部分を解説する。「昨今、キッチンに対しては高い意匠性が求められている。こうした要望に対し、これまではホーローインクジェット印刷によってデザイン性を高めることで対処してきた。しかし、自然なリアルさを表現できるものの、一面にしか印刷することができず、側面には同じデザインで印刷することはできなかった」と、ホーローインクジェット印刷には弱点があったのだという。
「そこで、当社ではホーロー3Dインクジェット印刷技術を開発。サイズ違いといった課題もクリアしながら、最大五面まで印刷できるようになった。この技術を使ったのが、今回発売する新『レミュー』となる」と、最新の印刷技術が用いられた製品なのだと強調する。「さらに扉の取っ手の形状も変更。横方向に一直線に並べた」と、一体感や高級感が感じられるデザインを実現しているという。
「さらに、今回は新色を8色追加した。従来の意匠性を超えるデザインとなっており、これはホーローだからこそ成しえる技であると自負している」とのこと。「連続柄についても拡充。新『レミュー』では、縦につなげる木目調の柄を追加した」と、一枚一枚に印刷できるため、縦につなげることができるようになったと教えてくれた。
「機能面については、家事らくシンクを採用した。洗う、切る、捨てる、入れるをさらに使いやすく改善した」と、3層シンクにも消費者の意見を取り入れているのだと説明する。「今回、ゴミ箱スペースを確保することもできようになった。これはキレイエリアを加熱エリアにずらすことで、キレイエリア下にゴミ箱スペースを確保した」と、キッチンにおける一連の動作が無理なく行えるようになったと述べていた。
「そして、10年間レンジフードの内部の手入れが不要の『キープクリーンフード』を採用している。独自の『フィルタリング構造』によって、ファンに至るまでの経路で約90%の油汚れを捕集。内部で捕集された油汚れは下方へ滴下、グリスフィルター等で回収する。そのため、高所にあって掃除しにくい、ファンを含む、内部の手入れは10年間不要となっている」と、高い清掃性と意匠性を両立した最上位レンジフードなのだと力説した。
「新『レミュー』では、多種多様なバリエーションを用意。カラーバリエーションも豊富になった」と、様々なニーズに対応できるようになっていると説明する。「従来に比べて数倍のラインアップになったことで、選ぶ楽しさや納得感を持って選んでもらえるようになった。ぜひ近くのショールームに足を運んで、新『レミュー』の良さを実感してほしい」と、自信をもっておすすめできるホーローシステムキッチンなのだとアピールした。
[小売価格]
レミュー(I型間口255cm(食洗なし)シンプルプラン):75万7500円~
キープクリーンフード
間口900mm:17万4000円
間口750mm:16万6000円
(すべて税別、搬入・取付費等は別途)
[発売日]8月28日(月)
タカラスタンダード=https://www.takara-standard.co.jp/