人材育成・能力開発について、制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じている企業は半数以上に上っており、そのうち、やり方の見直しができていない企業は約半数となっていることが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の「企業の人材マネジメントに関する調査 2023」で明らかとなった。

人材育成・能力開発について、従来のやり方を見直す必要性を感じている企業が半数以上

人材育成・能力開発について、「制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じている」と答えた企業は51.1%と半数以上に達した(強く感じている13.7%、やや感じている37.4%)。

【人材育成・能力開発について、制度を変えたり、従来のやり方を見直す必要性を感じているか】
強く感じている   13.7%
やや感じている   37.4%
どちらともいえない 32.0%
あまり感じていない 13.3%
全く感じていない  3.7%

「見直しが必要」と答えた企業のうち46.8%は「まだできていない」状況だった(できていない14.0%、あまりできていない32.8%)。制度改定や見直しができている企業は 28.2%にとどまっている(できている4.5%、ややできている23.7%)。

【人材育成・能力開発に関する人事制度を改定したり、やり方を見直すことができているか】
できている     4.5%
ややできている   23.7%
どちらともいえない 24.9%
あまりできていない 32.8%
できていない    14.0%

能力開発費は、3年前と比較して「ほぼ変化していない」という回答が61.4%。「やや低くなっている」(12.0%)、「大幅に低くなっている」(5.2%)と合わせ、積極投資できていない割合は8割弱に達している。

【3年前と比較した能力開発費の変化】
大幅に低くなっている 5.2%
やや低くなっている  12.0%
ほぼ変化していない  61.4%
やや高くなっている  17.8%
大幅に高くなっている 3.6%

「能力開発費の変化」を「制度の見直しができているか」の設問と併せてみたリクルートは、「人材育成・能力開発の見直しができている企業は3年前と比較して能力開発費が高くなっている」と分析した。

【制度の見直しができている群 3年前と比較した能力開発費の変化】
大幅に低くなっている 2.3%
やや低くなっている  9.3%
ほぼ変化していない  41.0%
やや高くなっている  38.2%
大幅に高くなっている 9.3%

【制度の見直しができていない群 3年前と比較した能力開発費の変化】
大幅に低くなっている 7.9%
やや低くなっている  11.5%
ほぼ変化していない  59.8%
やや高くなっている  17.4%
大幅に高くなっている 3.5%

また、能力開発費が3年前と比べて増加した企業のうち、人材育成・能力開発の見直しができている企業とできていない企業を比較したところ、「見直しができている企業の方が“生産性が向上”していることが分かった」とした。

【制度の見直しができている群 生産性の変化】
3年前と比較して、労働生産性が低下した 7.9%
3年前と比較して、労働生産性がほぼ横ばいである 24.9%
3年前と比較して、労働生産性が向上した 67.2%

【制度の見直しができていない群 生産性の変化】
3年前と比較して、労働生産性が低下した 19.6%
3年前と比較して、労働生産性がほぼ横ばいである 37.0%
3年前と比較して、労働生産性が向上した 43.5%

調査は、2023年3月29日~31日、全国の人事業務関与者(担当業務2年以上)を対象にインターネットで実施し、従業員規模30人以上の企業に勤める2761人を集計した。 (従業員規模30~99人:753人、100~299人:605人、300~999人:540人、1000人以上:863人)

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