テクノスジャパン、テラスカイと資本業務提携を締結、両社製品を連携したクラウド型ERP総合ソリューションを提供
記者会見で握手する、テクノスジャパンの吉岡隆社長(左)とテラスカイの佐藤秀哉社長

DXでつながる社会の未来を切り拓くテクノスジャパンは、テラスカイと7月26日に、資本業務提携契約を締結した。この提携によって、テクノスジャパンの企業間協調プラットフォーム「CBP」と、テラスカイのグループウェア「mitoco」、クラウド型販売管理/在庫管理システム「Fujitsu GLOVIA OM」(以下、GLOVIA OM)を“つなげる”ことで価値を高めたERP総合ソリューションの提供を開始する。同日に行われた合同記者会見では、両社が資本業務提携に至った狙いや提携における具体的な協業内容および今後の展開について説明した。

テクノスジャパン、テラスカイと資本業務提携を締結、両社製品を連携したクラウド型ERP総合ソリューションを提供
テクノスジャパンの吉岡隆社長

「当社とテラスカイは、これまで両社が提供するサービス内容や事業展開の方向性について協議を行ってきた。その中で、双方の売上拡大、さらにはサービスレベルの向上が見込めると判断したことから、提携に関する基本的合意に至った」と、テクノスジャパンの吉岡隆社長が挨拶。「両社間では、今年2月から資本業務提携による協業スキームについて検討を重ねてきており、今回、7月26日付で資本業務提携を締結した。これにともない、両社は市場から相互の株式1億円をめどに買い付けを実施する」と、資本業務提携に至った経緯を述べた。「提携による協業の取り組みとしては、『製品ビジネス』『Salesforceビジネス』『SAPビジネス』を3本柱とし、顧客企業のDX推進とビジネス成長に貢献するとともに、クラウド型ERP市場の拡大を目指す」と、提携における協業の軸となる3つのビジネスを発表した。

テクノスジャパン、テラスカイと資本業務提携を締結、両社製品を連携したクラウド型ERP総合ソリューションを提供
テクノスジャパン 経営執行役員の山下誠取締役

「製品ビジネス」の具体的な協業内容について、テクノスジャパン 経営執行役員の山下誠取締役が説明した。「テクノスジャパンでは、企業向け経営・業務システムにおけるDX推進事業を“DX=ERP(基幹業務システム)×CRM(顧客管理システム)×CBP(企業間協調プラットフォーム)”と定義し、顧客の経営革新を協創する事業を展開している。今回の製品ビジネスの協業では、ERPの知見をベースに社内外の基幹システムをつなげる当社の強みと、クラウド上でERPやグループウェアを提供するテラスカイの強みを活かしたシナジー効果で、新たな顧客価値を創造していく」とのこと。「具体的には、当社の協調プラットフォーム『CBP』と、テラスカイが保有するグループウェア『mitoco』およびクラウド型販売管理/在庫管理システム『GLOVIA OM』の製品連携を行い、ERP総合ソリューションとして提供する。『CBP』と『mitoco』の連携では、CBPで発注申請を行った際にmitocoのワークフロー機能で承認プロセスを経た発注を実現できる。また、『CBP』と『GLOVIA OM』の連携によって、クラウド型ERPの取引データまで含めて、企業活動のすべてを一元化することができる」と、両社製品を連携することで大きなシナジー効果が生まれるのだと力説した。

テクノスジャパン、テラスカイと資本業務提携を締結、両社製品を連携したクラウド型ERP総合ソリューションを提供
テラスカイの佐藤秀哉社長

次に、「Salesforceビジネス」における協業の取り組みについて、テラスカイの佐藤秀哉社長が紹介した。「テラスカイグループは、マルチクラウドプラットフォームに対応したクラウドインテグレーション事業および製品事業を手がけている。今回のSalesforceビジネスでの協業では、Salesforceをプラットフォームとする『mitoco』と『GLOVIA OM』、そして『CBP』の国内マーケットでの展開にあたり、両社は導入パートナーとして顧客への導入協業を行う。テラスカイは、エンタープライズの顧客企業に対して『CBP』の導入提案を行い、テクノスジャパンはミッドマーケット顧客に対して、当社製品および当社グループのサービスを導入提案していく」と、両社の既存マーケットに対して営業、エンジニアの相互協業によるプロジェクト協業を行うという。「また、海外マーケットでは、テクノスジャパン子会社のLirikによる北米市場におけるテラスカイ製品と両社連携ソリューションの販売展開で協業を行う。当社では、Lirikに対してテラスカイ製品の提案・販売・導入に必要なトレーニングを実施すると共に、プリセールスなどの販売支援活動を提供する」と、海外マーケットにおける協業展開にも言及した。

テクノスジャパン、テラスカイと資本業務提携を締結、両社製品を連携したクラウド型ERP総合ソリューションを提供
BeeXの広木太社長

「SAPビジネス」の協業内容については、テラスカイのグループ会社でSAP関連事業を行うBeeXの広木太社長が説明した。「SAPが提供している『SAP ERP 6.0』と『SAP Business Suite』の標準サポートが2027年に、延長サポートが2030年に終了する。このため、SAPのユーザー企業は、クラウドERPである『S/4HANA』への移行が大きな課題となっている。そこで今回、ERPアプリケーション領域に強みを持つテクノスジャパンと、基盤領域に強みを持つ当社が協業し、SAPシステムのクラウド化・モダナイズ化を推進していく」と、SAP領域で協業することの意義を語る。「S/4HANA移行サービスでは、両社の豊富な経験と実績を活かし、確実で最適な移行シナリオを提案する。また、移行後の運用保守サービスも提供する。あわせて、最新クラウド技術を積極活用しコスト最適化と利便性を追求したクラウド基盤構築・移行・活用サービスも提案していく」と、BeeXとテクノスジャパンが一体となり、コンサルティングからモダナイズ化・クラウド化、保守ビジネスまで一気通貫で顧客を支援していくと意欲を見せていた。

テクノスジャパン= https://www.tecnos.co.jp/
テラスカイ=https://www.terrasky.co.jp/
BeeX=https://www.beex-inc.com/