【経理・財務職の中途採用】上場準備を見据えた企業の求人が増加し、上場企業と採用対象が重なる

ジャスネットコミュニケーションズ

小山 満也 紹介事業部長

【PROFILE】国立大学工学部中退後、公認会計士を目指す。2002年より弊社に入社し、派遣のエージェントに1年、その後紹介のエージェントに18年携わる。1万人を超える求職者の支援実績があり、自身が公認会計士を目指していたことを活かし、業務面やカルチャーフィットを含めたミスマッチの少ない紹介に強み。

コロナ禍により一時的に求人の動きが鈍くなったものの、2020年後半から足元の3年ほどは経理・財務職の求人数は堅調に推移しています。

上場企業の求人については一定数ありますが、特に増加傾向にあるのは上場準備を見据えた企業の求人。金商法での決算経験や、連結決算・監査対応などの経験が求められるという点で上場企業が採用の対象とするターゲット層が重なることから、経験者の採用の場面では売り手市場が続いています。

求職者の動向は、人数的な増減はほとんど見られないものの、20代で経理・財務職にキャリアチェンジを希望する方は増加傾向にあります。転職の目的について変化が現れているのは、「働き方を改善したい」という希望を持った方が増加傾向にあること。特に20代・30代を中心に、残業の少ない環境、テレワークが積極的に活用できる環境を希望する方が増えています。

ターゲットとする経験者の採用を成功させるためには、「ワークライフバランスの取れる環境作り」や「テレワークによる業務環境の整備」が必要と感じます。それ自体が採用上訴求できるポイントになるというよりも、他社と同じ土俵に並ぶために必要な整備となります。その上で業務上のやりがい、事業の魅力、組織風土など自社の魅力を訴求する必要があるでしょう。

一方で、一朝一夕に環境を変えることが難しいことから、母集団形成に苦戦を強いられる企業もあります。このような企業で採用が増えているのは、40代・50代のミドル層や未経験者層。長期的な就業を期待する上では、スキル面よりも志向や人物特性面のマッチングが重要となります。

40代・50代は世代的にそこまでテレワークにこだわりが強い方も多くないですし、未経験者であれば母集団形成もさほど難しくないため、人物重視の採用をおこなう上でも比較検討が容易となります。

経験者層は転職が容易な環境でもありますので、いかに自社にマッチした人材を採用し、流出を防ぐかという点が長期的な採用活動を成功させるポイントかと思います。

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